2015年9月の活動

2015年9月30日

I.プロジェクト管理に関わる活動

(1)週例会議の実施

9月は、エチオピア新年休暇、モスリムの犠牲祭などの連休が多く、週例会議の実施は1〜2回のみでした。主な議題は次のとおりです。
1)(定常)月例ファシリテーター会議のタイムスケジュールと役割分担の決定、技術インプットの準備。
2)卒業に向けた第2ラウンドFFSの進捗状況の確認
3)卒業式の準備(プログラム案作成、招待者リスト案作成、卒業委員会の設立フォローなど)

(2)月例ファシリテーター会議の実施

各郡で、第2ラウンド、第3ラウンドFFSのファシリテーターを対象に、月例会議を開催しました。主な議題は次のとおりです。

第2ラウンドFFS向け

1)FFSファイナルセッション(セッション開催数と出席率分析、知識テスト、メンバー自己評価、農地自己評価、卒業後活動)の進捗確認
2)家畜用サイレージ作成(講義、実習)
3)ファシリテーター評価(理解度テスト)
4)卒業委員会の立ち上げと役割分担、活動計画の作成

第3ラウンドFFS向け

1)FFSの進捗確認
2)家畜用サイレージ作成(講義、実習)
3)セッション開催数と出席率分析

家畜用サイレージの作成の専門的なトピックは、各郡の専門官や課題別専門官が担当しました。参加者は大変興味を持って参加していました。
第2ラウンド向けの会議では、卒業式の開催に向けての準備に入りました。具体的には、週例会議で決定したプログラム案の共有と必要な活動の洗い出し、卒業委員会の立ち上げ、各委員会による活動計画の策定です。卒業委員会は、各郡とも、1)ファシリテーター委員会、2)食事準備委員会、3】会場準備委員会の3つの委員会が立ち上がりました。各委員会は、作成した活動計画を元に準備を進めています。

(3)月例マネジメント会議の実施

主な参加者は、農業事務所次長、普及チームリーダー、自然資源管理チームリーダー、バックストッパー、自然資源管理チーム専門官、課題別専門官、プロジェクトスタッフです。
アダマ郡による月例マネジメント会議の開催方法は、他郡にとって参考になるとプロジェクトスタッフが判断し、10月上旬に開催されてToMT(Training of Master Trainers)で、アダマ郡の資源管理チームリーダーにより共有される予定です。
月例マネジメント会議の主な議題は次のとおりです。
1)第2ラウンドと第3ラウンドのFFSの進捗の共有
2)ファシリテーター評価の進捗と結果の共有
3)第2ラウンドFFSの卒業のための指標に合わせた状況確認
4)上記2)の指標を満たしていないFFSへの対応策の検討
指標を満たしていないFFSは、ファシリテーターのFFS参加率も低いことが分かりました。郡は、メンバーがFFSを継続する気持ちがあるかを確認した上で、ファシリテーターの交代などの措置をとることを予定しています。
5)卒業式の準備状況の共有
さらに、月例ファシリテーター会議で行われた「ファシリテーター評価(理解度テスト)」の採点は、今年から郡主体で実施することにしています。このため、採点日や採点方法ついても簡単に打合せがされました。

II.能力強化に関わる活動

(1)マスタートレーナー養成研修(ToMT)

9月はエチオピア歴の正月の休暇時期のためToMTは開催されず、次回のToMTは10月3日〜7日の5日間で実施の予定です。

III.FFS実施に関わる活動

(1)第2ラウンド、第3ラウンドFFSの実施

第2ラウンドのファシリテーター評価を進めるとともに、第3ラウンドのファシリテーター評価計画を作成しました。
第2ラウンドのファシリテーター評価はファイナルセッションに入っているFFSが多く、採点が難しいなどの課題が挙げられたため、第3ラウンドのファシリテーター評価は、できるだけ早く実施をすることを予定しています。
ファシリテーター評価の結果が出るとともに、郡のバックストッパーによるFFSのモニタリングの質の違いが表面化しています。10月のToMTの現場FFS訪問では、バックストッピングの質を担保するセッションとバックストッピングレポートの検討を予定しています。
8月の月報で報告したとおり、干ばつの影響により、アダマ郡では第3ラウンドの1つのFFSが活動を一時停止することが決定しましたが、別の1つのFFSについても活動を一時停止することが決まり、6つのFFSのうち2つのFFSが活動を一時停止することとなりました。

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ファイナルセッションで出席率を確認しているFFSメンバーたち

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バロットボックス・エクササイズの3択問題に挑戦するメンバー

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メンバーが自分の畑でFFSでの学びを実践

IV.その他

(1)運営指導調査団の訪問

地球環境部の宍戸次長と森永担当が来訪され、9月1日から3日間エチオピア事務所担当のアベラ所員、佐宗企画調査員とともに、運営指導調査が実施されました。
1日にはオロミア農業局情報担当部長であり、農業局次長でもあるアブドラハマン氏を表敬し、プロジェクトの現状や今後の実施方針等に関して、意見交換を行ないました。翌日はリベンチュカラ郡で農民ファシリテーターが実施中の第2期FFSが卒業に向けた評価セッションの一つである知識アセスメント実施している様子を視察するとともに、リベンチュカラ郡事務所を訪問、実証フェーズからプロジェクトとそのFFSを支援してきた郡長を表敬しました。
3日は午前中ボラ郡を表敬し、普及員(DA)ファシリテーターによって実施されている第3期のFFSが通常のセッション実施状況を視察するとともに、メンバー2名の農地と家屋敷を訪問し、学習した技術の実践状況を視察しました。午後にはビショフトにおいて、出張中のアブドラハマン農業局次長と再度協議の場を設けました。いままでのプロジェクトの成果を反映して、CP側からもFFSを通じた普及活動の制度化や他地域へのスケールアップ推進を求める声がでてきており、先月来オロミア農業局長に対するFFSを通じた普及の実態・成果に対するブリーフィングや、農業局上級職による現地視察が実施されてきていますが、それらの結果も踏まえ、懸念事項に対する議論やプロジェクトの今後に対するビジョンの共有を行いました。その結果、今後タスクフォースを立ち上げ、現状のシステムをよりエチオピアの現状の普及システムにあった形に統合していくためのすりあわせや、オロミア農業局側が想定しているスケールアップに対する計画に関する協議を行っていくことについて合意しました。