2015年10月の活動

2015年10月31日

I.プロジェクト管理に関わる活動

(1)週例会議の実施

10月の週例会議では主に次の議題について話し合いました。
1)月例ファシリテーター会議のタイムスケジュールと役割分担の決定、技術インプットの準備。
2)第2ラウンド卒業式実施の準備
3)第3ラウンドFFSグループの進捗確認
4)ファシリテーター評価結果の取りまとめ

(2)月例ファシリテーター会議の実施

各郡で、第2ラウンド、第3ラウンドFFSのファシリテーターを対象に、月例会議を開催しました。主な議題は次のとおりです。

第2ラウンドFFS向け

1)FFSファイナルセッション(セッション開催数と出席率分析、知識テスト、メンバー自己評価、農地自己評価、卒業後活動)の進捗確認
2)マンゴー接ぎ木(講義、実習)
3)卒業式準備状況の確認、予算見直し

第3ラウンドFFS向け

1)FFSの進捗確認(AESA実施状況、収穫進捗、コスト・ベネフィット分析など)
2)マンゴー接ぎ木(講義、実習)
3)マイクロファイナンスグループ形成についての情報提供

マンゴー接ぎ木の技術指導は、各郡の専門官や課題別専門官が担当しました。参加者は普及員、農民共に大変興味を持って講義を受けていました。第2ラウンド対象の月例会議では、各グループがファイナルセッションの結果を報告しました。また、卒業式実施に向けて準備が行なわれ、実施日や予算についての協議、各自の役割分担の確認などを行ないました。
第3ラウンド対象の会議では、郡の専門官が雨期活動の進捗の聞き取りを行ない、雨期活動のコスト・ベネフィット分析のために、各グループは比較実験プロットごとに収穫を開始したことを確認しました。

(3)月例マネジメント会議の実施

主な参加者は、農業事務所次長、普及チームリーダー、自然資源管理チームリーダー、バックストッパー、自然資源管理チーム専門官、課題別専門官、プロジェクトスタッフです。
月例マネジメント会議の主な議題は次のとおりでした。
1)第3ラウンドのFFSの進捗の共有(干ばつの影響等)
2)卒業式準備進捗確認
3)グループの卒業後アクションプランの確認
4)卒業要件を満たさないグループへの対応について
5)ファシリテーター評価の結果取りまとめ進捗確認

II.能力強化に関わる活動

(1)マスタートレーナー養成研修(ToMT)

ToMTは10月上旬の5日間で開催しました。農業普及手法、苗畑、塩害、天然更新処理、接ぎ木技術等をトピックとして扱い、コース参加者自身が講義を準備する機会を増やして、トレーナーとしての能力の強化を目指しました。普及手法や接ぎ木の講義では、準備に時間をかけ、実技もあわせて行ない、興味深い内容となりました。しかしながら、郡の職員に依頼した一部の講義(養鶏やマイクロクレジットの講義)は教本の内容をそのまま説明するなど、雑ぱくな説明が目立ったため、内容の改善が必要と考えます。参加者には、農民が実際に活用するとの視点に立って、実際の現地での体験に基づいて講義の構成を考えるようにと指導しました。
その他、プロジェクト終了後の活動とFFS運営の持続性を見据えた議論も、研修の中で行ないました。特に、一連のFFSセッションの最終活動である卒業式の予算標準化や、FFS運営に関連する各種会議を郡の通常定例会議に組み込む可能性等について話し合いました。FFS運営に関して、郡農業事務所全体の活動モニタリングのための会議は定期的に行われており、FFSの管理を同会議に組み込める可能性はあることがわかりました。しかし、末端で働く普及員(Development Agents)を対象とした定期的な会議は郡主催では行われておらず、現在プロジェクトが実施しているような月例会議を通じたファシリテーターへのインプットを既存のシステムの中で行うには、さらなる検討が必要なことが課題としてあげられました。

(2)FFSスタディーガイドの作成

デブラゼイトにある農業研究センター(DZ-ARC)の研究員と共に、FFSスタディー・ガイドとして新たな奨励技術についての紹介記事の作成を行っています。協力者は下表のとおり、DZ-ARCの所長をはじめ、4つの作物セクションの専門家で構成されています。紹介されている技術は、高価な道具を使うことなく、農民が容易に習得できるもので、かつ、新たな品種導入や栽培技術などに関する内容です。

Study Guideへの寄稿を行ったDZ-ARCの研究者
所属部署 Name
ARC所長 Dr. Solomon hanyalew (Director General)
テフ部門 Dr. Kebebew Assefa (Tef breeder)
小麦部門 Dr. Wasihun Legess (Bread wheat researcher)
畜産部門(飼料作物) Dr. Kidane G/Meskel (Fodder crop researcher)
園芸作物部門 Getachew Tabor (Vegetable cultivation researcher)

III.FFS実施に関わる活動

(1)第2ラウンドのFFSファシリテーター評価の結果

第2ラウンドのFFSファシリテーター評価を9月に引き続いて実施しました。評価は郡専門官とプロジェクトスタッフによって実施します。評価はフィールドでのパフォーマンスと、FFSについての筆記試験に基づいて行っています。現在結果を取りまとめ中ですが、農民ファシリテーターの評価結果、特にフィールドでの実践評価結果が普及員と比較して高いことが分かっています。

IV.その他

(1)四半期会議の開催

10月2日に四半期会議を開催しました。3郡のFFSの進捗や卒業式準備について、郡の自然資源管理チームリーダーから県、州の担当官に報告がされました。また普及員がファシリテートするFFSの質を保つためにはどうしたら良いか、参加者で議論しました。参加者からは、バックストッパーの他に、郡の課題別専門官チームによるモニタリングが必要であること、また携帯電話を活用したモバイルモニタリングも一定の効果があるとの意見がありました。

(2)エチオピア在日本大使館現地視察

10月18日と22日に、エチオピア在日本大使館書記官および広報担当職員と、JICAエチオピア事務所担当者の視察を受け入れました。視察はアダマ郡、リベンチュカラ郡で1日ずつ実施し、アダマ郡ではFFS実践中のグループを、リベンチュカラ郡では卒業生である個別農家の畑を訪問しました。卒業生の活動として、郡農業事務所のスキームを利用してグループを新たに形成し、FFSで学んだ技術を応用して、規模を広げて実践している農家を紹介しました。