FFS活動の地域へのひろがり

2016年6月30日

農民の方々を対象にしたFFSの活動は、地域にある小学校にも波及していた。FFSメンバーが住む村の近くに、小学校教諭アジッダさんが働く学校がある。FFSメンバーの育苗活動を聞きつけたアジッダさんは、グループから苗木を購入して小学校の敷地に植えた。

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アジッダさん(右端)と彼の生徒と同僚たち

FFSは農民グループを対象にして実施しているので、小学校に対する直接の活動はしていない。まず、どのようにしてFFSの活動について知ったかを尋ねてみた。

「最初にFFSについて耳にしたのは、地域の人や村の農業普及員からだったと思います。話の中で、農家の人たちを対象として様々な農林業技術を学ぶプロジェクトだということがわかりました。その後、自分の村の近くでもFFSグループがあることを知りとても興味を持ったのです。そこでメンバーの一人を訪ねてみることにしました。」

「FFSメンバーの畑を訪ねてみてどうでしたか。」

「おどろきました。私たちの地域で、個人の家庭で苗木をつくっていることは見たことがなかったので。しかも苗木の数も多かった。ぜひ彼の活動に貢献したいと思いましたし、自分の生徒にも知ってもらいたいと思いました。そこで、彼から苗木を買って小学校に植えることにしたのです。私たちが住む土地は乾燥しており、水へのアクセスも限られています。育苗や植樹は難しい。でも、だからこそ子どもたちに自然環境を大切にすることの重要性とその方法を知ってもらいたいと思います。敷地内に植えた苗木は子どもたちが水遣りなどの世話をしています。土地柄、放し飼いにされている家畜が多いので、苗木が食べられないように一緒に柵も作りました。理科の授業でも環境保全の重要性についての単元があるので、よい授業の教材にもなっていますよ。導入してよかったです。」

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アジッダさんと小学校の土地に活着した苗木

プロジェクトの活動が自発的に地域に広がっていた。今後も、波及効果が子どもたちや地域の方々にも届くように、しっかりと地域に根付く活動づくりを進めていきたい。