普及員スーパーバイザーの挑戦

2017年4月30日

今回は、普及員ファシリテーターのアドバイスを担当していた普及員スーパーバイザーの活躍の話をお伝えします。
2016年から活動が始まった西ハラルゲ県ドッバ郡の普及員スーパーバイザーであるユスフ・アリさんは、2016年5月にプロジェクトが開催したFFSのファシリテーター研修に同郡出身の同僚と共に参加しました。もともとFFSのファシリテーションは普及員が担当し、普及員スーパーバイザーにはそのアドバイス役が期待されていました。
FFSの活動が始まり、担当していた隣村のFFSを訪問する度に、ユスフさんは、FFSがこれまでの普及アプローチと大きく異なることに気が付きました。農民達が興味のある作物を選んで学べることから関心も高く、教えたことに対して大きな反応が返ってくる。その農民達の真剣な様は、これまで経験したことのないものでした。
雨季のシーズンが終わり、学習結果の分析まで終えた頃、ユスフさんは自分が住んでいる村でもこの手法を使って、自分で直接農民に教えてみたいと強く思うようになりました。普及員が担当していた隣村のFFSにはプロジェクトから文具や資材が直接配布されていたので、郡事務所に対して自分の村にも同じような支援を申し込んでみましたが、なにも反応は返ってきませんでした。でも、やり方は既に知っているし、自分の身の回りの素材でも何とかできるはずと考え、村人にFFSの話を伝え、興味のあるメンバーを選定し、乾季の活動準備を1人で始めていきました。
その頃、ユスフさんが農民研修センターの敷地を利用して独自にFFSを立ち上げたという話がプロジェクト側にも伝わってきました。このような、ユスフさんの主体的な行動により、プロジェクト関係者は、普及員スーパーバイザーがFFSを実施すれば、より多くの村で普及活動ができることに気づきました。その結果、普及員スーパーバイザー指導によるFFSは、プロジェクトの一つのプログラムとして認知され、現在ユスフさんの担当するFFSも含めて、5つのFFSが普及員スーパーバイザーによって実施されています。

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FFSメンバーの前で話すユスフさん

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ユスフさんの担当するFFSの苗木生産活動

今後もプロジェクトでは、普及職員の陰の努力や隠れた才能を発掘し、支援していきたいと考えています。