第三国研修が実施される!

2017年12月31日

11月5日から18日の14日間にかけて第三国研修が行われ、カウンターパートである地方道路局(DFR)に加え、中央省庁の道路省(MRH)や研修センター(KTC)など、合計11名が南アフリカ共和国(南ア国)およびエチオピア国を訪問しました。これらの国はLBTを用いた瀝青舗装について先駆的な取り組みが行われており、すでに実際の補修工事にも活用されていることから、工学的な理論だけでなく、実工事における多くの知見の吸収が期待されます。

南ア国では、ケープタウン郊外において、常温合材工法(コールドミックスアスファルト)による実工事を視察し、常温合材の生産方法と品質管理、使用機材などを確認しました。常温合材の安定した品質確保は、第一回試験施工において大きな課題であったため、南ア国におけるこのような知見は第二回試験施工において極めて有効に活用されると期待されます。また、同国のアスファルト舗装に係る研究機関(CSIR)を訪問し、南ア国における技術基準等について理解を深めました。

エチオピア国では、首都アジスアベバにおいて、LBTの活用をテーマとする国際会議(Regional Seminar)が国際労働機構(ILO)の主催で行われ、本プロジェクトも参加しました。このSeminarは、アフリカ大陸のおけるほぼすべての国とアジア諸国のLBT関係者、主要ドナーおよび国際機関が参加しており、まさに全世界のLBT関係者が一堂に会するものです。

このSeminarにおいてDFRの代表者が「第一回試験施工の成果と課題」をテーマとしてプレゼンテーションを行い、その内容について多くの関係者に関心を示して頂きました。活発な意見交換を通じて、広く人脈を築くことができたものと考えます。また、LBTを支援する多くのドナーにも公聴していただき、貧困対策および雇用促進に貢献する日本のプレゼンスを高めるのに寄与したものと考えます。

今後、第三国研修において得られた知見を第二回試験施工に反映し、ガイドラインの内容をより高めていく所存です。

(高橋宏明/ガイドライン作成)

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南ア公共事業省傘下のLBTプロジェクト実施機関EPWP(Expanded Public Works Programme)との協議(南ア国 プレトリア)

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人力での常温合材配合(南ア国 プレトリア郊外)

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南アLBT業者で保有する常温合材配合機材(南ア国 ヨハネスブルグ)

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西ケープ州での常温合材工法によるアスファルト舗装舗設状況(南ア国 ケープタウン郊外)

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ILO国際会議でのDFR代表者による発表(エチオピア国 アジスアベバ)

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ILO国際会議でのDFR代表者から他国発表者への質問(エチオピア国 アジスアベバ)