アシャンティ州重点11郡でのモニタリング・スーパービジョン再開のための説明会開催

2021年2月23日

プロジェクトは2019年10月からアシャンティ州重点11郡で、母子手帳の有効活用及び栄養カウンセリングサービスとリスペクトフルケアについての保健医療従事者向け研修を実施し、研修後に第1回モニタリング・スーパービジョンの実施支援を行ってきました【参照記事:アシャンティ州重点11郡での第1回モニタリング・スーパービジョン実施】。プロジェクトでは、保健医療従事者への研修後のフォローアップや指導を、技術・知識の定着のための非常に大切な要素と考えており、同地域ではプロジェクト期間中に複数回実施することを予定していました。しかし、2020年の3月よりプロジェクト専門家がコロナ禍で全員一時避難帰国することとなり、その間第2回11郡モニタリング・スーパービジョンを含む主要な活動が延期されていました。2020年の11月より順次、専門家4名がガーナに帰任したことに伴い、2021年1月よりアシャンティ州でも活動も本格的に再開しました。

2021年2月12日に重点11郡から先発として選ばれた4郡の郡保健局長および郡講師(郡栄養士、郡保健師、郡助産師など)、さらに郡講師を監督する州講師を対象に、第2回モニタリング・スーパービジョンのための説明会を行いました。説明会では、第1回のモニタリング・スーパービジョンの結果報告して反省点や課題につき話し合ったうえで、第2回モニタリング・スーパービジョンの段取りや、改定されたチェックリストの説明なども行いました。先発の4郡は、アダンシ・アソクワ、アチュマ・クワウォマ、アマンシ・セントラル、アマンシ・ウエストの4郡です。まずは4郡で改定したチェックリストが使い使いやすいかどうか確認して、その後、全11郡に拡大し、6月一杯まで継続する予定です。

第1回のモニタリング・スーパービジョンの結果報告では、従来から測定されている体重測定や健康教育はほとんどの施設でよくできていましたが、新規に導入された子どもの身長測定に関しては継続した指導が必要であることが課題として明らかになりました。また、77.5%の施設でカウンセリングに適した場所やプライバシーの確保など何らかの対応を取っており、多くの施設で実際の食材サンプルなどを活用した効果的な栄養カウンセリングが開始されていたことなどが報告されました。母子手帳を活用した栄養カウンセリングは順調に実施されていた一方で、栄養カウンセリングの記録が充分になされていないことも課題として報告されました。これらの技術は、モニタリング・スーパービジョン実施時に、現場で繰り返し医療従事者への技術指導を行うことを確認しました。

説明会後半には、第2回以降のモニタリング・スーパービジョンに向け、4郡の郡保健局長も交え、以下の点につき議論を行いました。無理のない実施計画を立てること、栄養部門と母子保健部門のファシリテーターがペアを組むこと、車両のない郡は前もってプロジェクトと調整して車両の確保をすること、チェックリストはもれなく記入することなどの留意事項を確認し、全員が合意しました。また、前回のモニタリング時は時間の制約があったことから、肝心の郡講師による第一線で働いている保健医療従事者に対するメンタリングやコーチングの時間が十分取れなかったことから、2回目以降は訪問施設数を増やすことより、メンタリングやコーチングの時間を十分取ることになりました。前回のモニタリングから1年ほど経過していることも考慮し、州講師も同行して郡講師を支援することにしました。

説明会終了直後より、4郡からモニタリングの計画が提出され、アダンシ・アソクワ郡を皮切りに、現在各郡がモニタリング・スーパービジョンを着実に実施中です。3月には、郡講師が州保健局に報告に来ます。その時には郡講師、州講師、プロジェクト専門家が一緒にチェックリストの内容を確認し、モニタリング・スーパービジョンの状況を正確に把握できるようにする予定です。今回の4郡でのモニタリングの経験は、2021年4月に開始する残り7郡を含む全11郡でのモニタリングに活かせると確信しています。

【画像】モニタリング再開のための説明会の写真