アシャンティ州コントロール3郡での保健医療従事者研修実施と、全国1642名の母子手帳研修完了

2021年11月26日

2021年9月中旬にアシャンティ州にて州講師、郡講師育成研修を行いました(ホームページ:州講師、郡講師育成研修開催。939名の講師研修完了を参照)。アシャンティ州コントロール3郡(注)の郡講師15名がこの研修で育成されました。研修後15名の郡講師は、それぞれの郡で母子手帳及び栄養カウンセリングサービス・リスペクトフルケア(NCSRC)の研修を、2021年10月6日より11月12日の期間に計10回、保健医療従事者342名に対して行いました。参加した保健医療従事者は病院、ヘルスセンター、コミュニティにて実際に母子手帳を使用して母子への保健医療サービスを提供する助産師、地域保健看護師、栄養士などです。
この研修をもってプロジェクトとしての全国での研修を完了し、1642名の保健医療従事者が母子手帳研修を修了しました。
(注)エジス、クワブレ・イースト、アサンテ・アキム・サウス

研修の様子

本研修のスケジュールは当初、州講師、郡講師研修と同じものを使用するかたちで2日間の病院実習を含めた4日間の研修を行っていました。しかし、2日かけての実習は、実習場所への移動や実習の対象となる母子を確保することに多くの時間を要したため、講師間で話し合い、最終日の4日目に集中して実習を行う流れに変更しました。郡講師が中心となって講義行いましたが、必要に応じて州講師が講義進行を支援し、研修の質を保つようにしました。研修の中で行われた、実際の食材を使用した栄養指導の演習や、ゲーム形式で行われた乳幼児の年齢に応じた食事指導の演習は、研修員も楽しみながら参加しており、正解がわかると歓声を上げて喜んでいました。

3郡の研修はそれぞれの郡の特徴が出ていました。最初に研修を行ったエジス郡では、当初ファシリテーターは進行に戸惑いを見せていました。州講師の支援を受け、2週目からは郡講師のファシリテーション力も向上し自信をもって講義に望め、効果的な研修を実施することができました。クワブレ・イースト郡は、郡講師のチームワークも良好で、とてもスムーズに研修が進行しました。遠方のアサンテ・アキム・サウス郡は、研修会場がたびたび停電や断水に見舞われ、研修の進行が妨げられました。ガーナのこの時期は非常に暑く、湿度も高く、扇風機やエアコンがないと講義を聞く集中力が低下してしまいます。郡講師が講義に慣れていない様子も伺えましたが、州講師がうまく支援に入り、参加者が興味を持って講義を聴けるよう、質疑応答やロールプレイを多くし研修を進めてくれました。

最後の研修を終えて

今回、クワブレ・イースト郡の研修の様子を、プロジェクトドキュメンタリーとして収録しました。州講師と郡講師が協力し、参加型の研修アプローチや、食材を活用した栄養カウンセリング実習など、手慣れた手順で次々と進めている姿には、感動さえ覚えました。プロジェクト開始前、アシャンティ州で最初の母子手帳プレテストのための医療従事者研修を行った2016年から約5年間、研修内容も教材も進化し、ここまで実績を上げることができたのは、真剣に取り組んだカウンターパートと専門家の努力の成果と感じています。

【画像】身体計測の演習

【画像】離乳食の演習

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食材を用いた栄養指導の演習

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クリニックでの身長計測の実習