母子保健補完研修(産科救急の初期対応)の開催

2018年2月16日

本プロジェクトでは、2017年3月から2020年6月までの第2期を検証・拡大フェーズとして、まずはパイロット2市(サン・バルトロメ・ホコテナンゴ市、ネバフ市)を対象として活動を実施・検証し、その後、12市(パイロット2市を含む)を対象に活動を実施する計画です。

昨年9月には、準備フェーズの調査と現場における母子保健サービス提供状況の再確認をもとに、有効な活動を実施するために必要とされる知識や技術に関する研修内容を立案し、パイロット2市にて、母子保健研修を行いました。その結果、双方の地区での研修でもっとも点数の低かった項目は、「産科救急の初期対応」で、研修後のテストでも正答率は、50%以下と伸び悩みを示しました。この背景として、コミュニティで基礎的な処置を行う一次保健医療施設では、通常の業務で産科救急のケースを扱うことが少ないため理解に乏しかったことが考えられました。そこで、2月15日、16日にサン・バルトロメ・ホコテナンゴ市の49名の保健医療従事者を対象にフォローアップのための補完研修を行いました。

キチェ保健管区内では、妊産婦死亡の45%(注1)は、自宅で起こっているものの、患者の容態急変などの緊急事態が発生した場合のプロトコル(手順)が記載された保健省の規範には、一次レベルと比較して医療設備がある程度整った二次レベル以降の産科救急の初期対応しか記載されておらず、妊産婦死亡が起こりやすい自宅に最も近い一次レベルの保健医療施設での初期対応に適合していません。そこで、本研修では、カウンターパート(CP)と共に一次レベルでの初期対応にも適合させ、補完研修を実施しました。研修の内容は、「産科救急とは何か」、「産科救急の初期対応の基本」、「演習1(一次保健医療施設での初期対応)」、「演習2(二次保健医療施設での初期対応)」、「医療機関間の連携」、「産科救急時の記録」を含み、講義と演習を織り交ぜて実施しました。

「産科救急の初期対応」は、研修ニーズの高いテーマの一つであり、研修後のアンケートでは、93%の参加者が「大変満足」「満足」と回答しました。参加者からは、「私は、コミュニティで働いています。これからは、コミュニティの妊産婦の危機的状況を感知した場合には、Código Rojo(注2)を発令し、急変対応を行うことができます。」との声が聞かれました。また、ファシリテーションを行ったキチェ保健管区事務所リプロダクティブヘルス課の職員からは、「保健管区事務所に18年勤務している中で、優れた研修の一つだ。ぜひ、この研修を10市に拡大していきたい。」との言葉で締めくくられ、他市拡大に向けての手ごたえをつかむことができました。3月には、ネバフ市でも同研修を開催する予定です。

(注1)キチェ保健管区”Muertes Maternas 2016”(妊産婦死亡症例検討会発表資料より)
(注2)Código Rojo:患者の容態急変などの緊急事態を知らせるもので、緊急招集を行う総称

母子保健補完研修(サンバルトロメホコテナンゴ市)

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産科救急の初期対応(講義)の様子

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ファシリテーターによる寸劇

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産科救急の初期対応の演習の様子

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産科救急の初期対応にて、子宮マッサージを行う医師役の参加者