中米統合機構(SICA)とJICA共催セミナーにおけるプロジェクト紹介

2018年10月15日

中米統合機構(略称SICA)は、1992年に発足した中米・カリブ海8カ国をメンバーとする地域組織で、地域経済の発展、平和、民主主義などを目的としおり、近年は、治安対策強化や気候変動対策も重要課題としています。本部事務局は、エルサルバドルの首都、サンサルバドルに設置されています。JICAはSICAを対象として、地域協力アドバイザーの派遣や防災分野で協力を行っています。またSICAの中にある中米環境開発委員会(CCAD)を対象に、2019年から生物多様分野の協力を開始する予定です。

SICAでは1951年に初めて地域会合が開催された日を記念して、毎年10月14日を中米統合の記念日として記念式典を行っています。今年は2018年10月15日にサンサルバドルのSICA本部で記念式典が行われました。SICA本部は外壁、そしてホールの壁や柱に住民やプロジェクト活動を紹介した絵があるユニークな建物です。式典のあと「中米統合の日第4回JICA-SICA地域セミナー」が開催され、「生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)と生物多様性」の副題で、中米における防災・環境保全分野のSICAとJICAの取り組み紹介が行われました。

また同セミナー内では、ホンジュラスにおけるJICAの生物多様性分野の取り組みとして、ラウニオン生物回廊プロジェクトをセミナーで紹介しました。セミナーの趣旨にあわせ、(1)中米生物回廊(MBC)との関連、(2)地方政府主体の生物回廊計画、(3)各レベルへの支援(国レベル、地方政府レベル、コミュニティレベル)、(4)水源地保全を重視、を話題に含め、生物回廊は水源林保全などを通じて防災にも貢献することを話しました。また、ラウニオンプロジェクトは、ホンジュラス中央部と同様の生態系と法制度もつ近隣国における地域主体の生物回廊設定の参考になるであろうことにもふれました。

今後もこのような機会を活用して、プロジェクト成果のホンジュラス国外への波及も目指していきたいと考えています。

【画像】

SICA本部(サンサルバドル、エルサルバドル)