マデラ西県でのジェンダー分析調査

2015年4月14日

「ジェンダー主流化パッケージ」の開発を進めるため、PEGRESは、パートナー・プロジェクトである「Eastern Africa Agricultural Productivity Project(EAAPP)」と協働で、2014年10月13日から16日まで、ケニア中央部にあるニエリ郡マデラ西県にて、ジェンダー分析調査を実施しました。

PEGRESでは、2014年9月の開始後、世界銀行が財政支援をしている農業・畜産・水産省(MOALF)傘下のEAAPPと、連携についての協議を進めてきました。その結果、EAAPPが支援とする酪農、小麦、コメ、キャッサバのうち、酪農とキャッサバをPEGRES・EAAPP連携事業の対象作物とし、酪農についてはマデラ西県、キャッサバについてはケニア西部のブシア郡テソ南県を対象地域とすることで合意しました。

調査一日目は、マデラ西県の畜産担当官(Sub County Livestock Production Officer)および普及員(Extension Officer)から、当該地域の概要、ジェンダー関係、EAAPPの活動等についての聞き取りを行いました。二日目はコミュニティを訪問し、EAAPPが支援する農家グループを対象にジェンダー分析ツールを用いての調査を実施しました。ここでは、農家グループに、男性、女性、35歳以下の青年層の男性・女性の計4グループにわかれてもらい、その後、それぞれのグループごとにツールを使いながら、世帯において家事や酪農作業を誰が担っているのか、世帯内の資源や便益を誰が活用し、誰が活用に係る決定権を有しているのか等について話し合いを行い、その結果について発表してもらいました。三日目はEAAPPの支援対象である農家グループとHIV/AIDSグループを訪問し、グループ・インタビューを通じて、EAAPP支援についての聞き取りを行いました。

参加した農家グループの男性からは「EAAPPの研修を受けて、環境に悪影響を及ぼす放牧を止め、牛は家の敷地内だけで飼うようにした。その結果、牧草の生産やら水の手配などで手間はかかるようになった。特に水汲みの仕事は明らかに女性の役割だから、男性は何もできない」という意見が聞かれる一方、青年層の女性からは「EAAPPから新しい技術を習ったものの、家事等、毎日多忙で習った技術を実践に移す時間がない」という意見も聞かれました。今後、調査結果を取り纏め、EAAPPの活動を男女農家双方にとって、より有益なものとすべく、どのような研修・介入が必要なのかを検討・EAAPPに提案し、活動を実施していく予定です。

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マデラ西県の畜産担当普及員とJICA専門家

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ジェンダー分析調査の模様

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青年層男性とのジェンダー分析調査の模様

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1日の生活カレンダーを発表する男性