総合診療研修で用いられる、研修マニュアルの作成が進められています(続報)

2018年11月13日

2018年9月に、国立国際医療研究センター国際医療協力局より大原医師を招き、総合診療研修で利用することを想定した研修マニュアルの作成が行われましたが(2018年10月18日プロジェクトニュース参照)、その後研修マニュアルを国の標準マニュアルとするための活動が続けられています。今回はその続報です。

本プロジェクトでは、総合診療研修の現場で研修医が手にとって参照する研修マニュアルの作成を支援しています。9月から10月にかけ、総合診療研修が実施されているオルホン県地域診断治療センター(RDTC)の小児科医たちが、小児科ローテート中に研修医が利用できる研修マニュアルの原案を作成し、小児科専門医である大原医師が支援しました。

完成した原案は、保健省の小児科専門委員会のメンバーを中心に、専門家に内容を吟味していただき、コメントをいただきました。いただいたコメントは、原案を作成したオルホン県RDTCの小児科の先生たちに確認していただき、コメントに従いマニュアルの内容を修正しました。11月12日、オルホン県RDTCの小児科の先生が集まり、再度修正したマニュアルを見直し(図1)、最終案として保健省小児科専門委員会に提出しました。

今回の活動に参加したオルホン県RDTCの小児科医たちからは、「まさか自分たちがこのような活動をすることになるなんて思いもしなかった。しかし、自分たちでも力を合わせて頑張ることで、この国の研修医の役に立つ仕事ができることがわかった。とても自信になった。」と、嬉しいコメントもありました。

近日中に保健省の専門委員会を開催していただき、国内で利用できるマニュアルとするための承認を得ることができるよう話を進めています。完成されたマニュアルは、今後総合診療研修が実施される国内の施設で広く利用できるものにすることを考えています。

プロジェクトでは、今後産婦人科など別の診療科の研修マニュアルの作成にも取り組む予定です。地域で診療する医師たちの役に立つマニュアルができるよう、支援を続けたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1.作成したマニュアルを再度見直しているオルホン県RDTCの小児科の先生たち