研修指定病院の質の向上を目的とした評価ツールが承認されました

2019年4月20日

2019年3月29日、ほぼ2年近くかけて開発に取り組んできていた、研修医指定病院の評価ツールが完成し、保健開発センターの承認を得ることができました。

研修指定病院は、研修医に最善の研修環境を提供する必要があり、そのために指導体制や環境を整備する必要があります。日本や諸外国でも、研修指定病院は定期的に第三者から評価を受け、改善すべき点に対して指摘を受け、実際に改善に取り組むことで、研修病院としての質の向上に努めています。

モンゴルでは研修指定病院を客観的に評価する指標がなかったことから、プロジェクトでは保健開発センターの担当官たちと協力し、評価ツールの開発に取り組んできていました(プロジェクトニュース2017年5月30日、10月30日、2018年11月22日参照)。この評価ツールは、研修の管理体制、研修環境、指導体制などの評価項目が、60以上の項目に細分化されているだけでなく、評価基準を明確にすることで透明性と客観性が高められています。また訓練を受けた人であれば、誰でも同じように評価ができるよう、評価ツールを利用するにあたっての評価マニュアル、さらに評価結果を保健省に報告するための書式も開発されています。

今回、正式に国内の研修指定病院の評価ツールとして承認を受けたことで、今後は定期的に保健開発センターの担当官が研修指定病院を評価し、改善に向けた提案を行い、さらに指摘を受けた項目が改善されたか確認する活動を始めていく予定です。そのために、まずは5月初旬に研修指定病院を評価する評価者を育成する勉強会が企画されています。

プロジェクトでは、研修指定病院の評価から改善までの一連のプロセスを支援するだけでなく、研修指定病院が継続して改善されるような仕組み作りも支援していきたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明