プロジェクトが終了します

2020年12月30日

皆さまには、このプロジェクトニュースを通じて、5年8ヶ月に亘るプロジェクトの活動を紹介させて頂きました。プロジェクト目標である「一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修が強化される」の達成を目指して、プロジェクトが開始されたのは2015年の5月でした。
この間、プロジェクトは様々な活動を行ってきました。日本からは多くの専門家にお越し頂き、モンゴルの医療従事者に対して様々なトピックの研修を開き、アドバイスをして頂きました。モンゴルで始められた指導医講習会は、完全に根づき、定期的に研修が実施されるようになりました。
またモンゴル側カウンターパートとともに、地域での研修(総合診療)に必要なカリキュラムを開発し、2018年10月にはモンゴルで初めてとなる総合診療研修を開始することができました。
モンゴルからは多くの医療従事者が日本での研修に参加し、日本における研修医育成の現場から学びました。それぞれ研修員は、日本での経験、研修の成果を持ち帰り、その後の自身のパフォーマンス向上につなげてくれています。
プロジェクトの後半には、支援の分野を看護師にも広げました。新人看護師を指導する指導者を育成する研修コースの開発に取り組み、完成させました。
これらは私たちのプロジェクトの活動の一部ですが、是非、今一度これまでのプロジェクトニュースを振り返って頂いて、興味のあるトピックにアクセスして頂きたいと思います。

そしてプロジェクトが終了する2020年の12月、私たちは冒頭のプロジェクト目標の達成に必要な次の3つの成果を成し遂げたことをご報告します。
成果1:保健省と保健開発センターの卒後研修管理能力が強化される
成果2:卒後研修プログラムが強化される(質が改善する)
成果3:モデル地域における医療従事者向けの卒後研修システムが強化される

重要なことは、常にモンゴル側カウンターパートが主体的に活動してくれたことです。研修コースの開発、マニュアルの開発など、共に考え、共に努力しましたが、今では私たち日本人チームの手を離れて、カウンターパートが自ら計画を立て、研修に必要な予算取りをし、準備をして各種研修を実施しています。カウンターパート1人1人に、このプロジェクトは与えられたものではなく、自分たちの手で実施していくものであるとの思いがあるからこそ、ここまで到達できたものと思います。

プロジェクト最後の1年は、新型コロナウィルス感染症の世界的蔓延の中、残念ながら多くの研修、本邦研修、イベントなどを中止せざるを得ない状況になりましたが、そのような中、日本とオンラインで結んで研修を実施するなど、工夫を重ねながら活動を実施しました。2020年12月をもって本プロジェクトは終了しますが、2021年1月からは、「医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト」が開始します。またこのプロジェクトニュースで、多くの皆さまにプロジェクトをご紹介していけることを楽しみにしています。

最後となりますが、これまでプロジェクトに温かいご支援を頂いた全ての皆様に厚く御礼申し上げます。そして、これからも引き続きよろしくお願いいたします。

一次及び二次レベル医療施設従事者のための卒後研修強化プロジェクト
技術協力プロジェクト専門家(業務調整) 大熊 浩