パイロット通常学校での報告会を開催しました

2018年7月2日

プロジェクトでは、特別学校4校と通常学校10校とともに、在籍する障害や学習に課題のある子どもたちが充実した学校生活を送れるようになるための活動を実施しています。14校の活動報告会を2018年6月12日に実施しました。14校のうち、2校の取り組みを紹介します。

1.子ども発達センターでの学習支援

ウランバートルの通常学校8校のうち、4校は手すりの設置や教室の段差の解消、教材の充実など学習環境の改善に取り組みました。残りの4校は、子ども発達センターを設置しました。子ども発達センターは、通常学級に在籍する子どものうち、障害や学習に課題のある子どもたちが放課後の時間を活用して補習や障害に応じた指導などを受けられる場所になっています。

ウランバートル市のスフバートル区にある学校では、2017年11月に子ども発達センターを設置しました。この学校のセンターには4名の児童が通っており、読み書きや計算など、それぞれが普段の授業で難しいと感じている課題に取り組んでいます。

1年生のA君は、9月の入学以降、モンゴルで使用されているキリル文字の筆記体を書くことや、教科書を音読することが苦手でした。学級での国語の授業ではわからないことも多く、本人も苦手意識を持っていました。学習マネージャーと保護者で相談し、週2~3回の頻度でセンターに通うことになりました。

センターでは、センターを担当する小学部の教員とモンゴル国立教育大学で特別支援教育を学ぶ学生が一緒になって子どもたちを指導しています。学習マネージャーとも相談したうえで、センターでは文字のなぞり書きや文字の聞き取りなどを練習しました。学習ばかりだと飽きてしまうので、手先を動かすおもちゃで遊んだり、本を読む時間を取り入れたりしました。

その結果、A君は書き間違いが少なくなり、文章も途中で止まることなく読めるようになったそうです。A君のお母さんは、このままこの学校で学んで、他の子どもたちと一緒に勉強させ、社会性を身につけてほしいと願っています。

2.環境整備による支援

同市のバヤンゴル区にある学校では、在籍している足に障害のある児童が学校生活を送りやすくなるよう、階段と廊下に手すりを設置しました。また、足に障害のある児童は今まで体育の授業にはあまり参加できていませんでしたが、管理職や担任で話し合い、近隣の特別学校の教員から助言を受けて、体育の教員による個別指導を実施するようになりました。

プロジェクトでは、障害のある子どもが地域の学校で学べるように、今後も学校と協力して活動を実施していきます。

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子ども発達センターの様子

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新しく設置した階段の手すり

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体育の授業で個別指導を受けている様子