短期専門家(CNS/ATMマスタープラン策定)派遣

2015年6月16日

本プロジェクトの活動の一つである、衛星技術を使用した次世代航空保安システム(Communication, Navigation and Surveillance/Air Traffic Management(CNS/ATM)system)の導入計画を策定する「CNS/ATMマスタープラン策定」において、2015年5月24日から30日まで国土交通省航空局の岸氏が、CNS/ATMマスタープランの具体的な作成手法について助言・指導するために短期専門家として派遣されました。
岸専門家からは、昨年度までDepartment of Civil Aviation(DCA)のタスクフォースメンバーによって実施されたミャンマー国の現状や国際民間航空機関の方針、欧米、近隣諸国の状況の把握及び分析の結果に対して、有意義なコメントを得られました。その中でDCAのカウンターパートが誤解していると思われる知識や不足している知識に対して必要な知識の付与として、フィリピン国におけるAir Traffic Flow Management(ATFM)導入の事例、世界の動向としてTrajectory Based Operation(TBO)、Performance Based Communication and Surveillance(PBCS)、日本の監視システムの動向としてAutomatic Dependent Surveillance-Broadcast(ADS-B)、Secondary Surveillance Radar Mode-S(SSR Mode-S)についてのセミナーを行いました。その上で、現在問題となっているAutomatic Dependent Surveillance(ADS)/Controller-Pilot Data Link Communications(CPDLC)の表示の不具合の対策としてSSR Mode-Sの推奨などのミャンマー国に導入すべきシステムについて協議を行いました。

【画像】

タスクフォースメンバーに対しセミナーを行う岸短期専門家

【画像】

タスクフォースメンバーに対しセミナーを行う岸短期専門家

また岸短期専門家は通信システムや監視システム等のカバレージを解析するためのシステムについて、現在DCA職員が実施している解析作業の内容についても確認しました。

【画像】

カバレージ解析の作業状況を確認する岸短期専門家

最終日にはこれまで行ったセミナーや協議等に基づき、マスタープランのたたき台をDCAのカウンターパートと共に作成しました。併せて、今後やるべきTo Doリストも作成されたので、今後はこのリストに基づき、通信系や監視系システムの不通地域の把握や新規システムのサイト選定のためのカバレージ解析などの活発な活動が期待されます。