短期専門家(CNS/ATMマスタープラン策定)派遣

2015年7月31日

本プロジェクトの活動の一つである、衛星技術を使用した次世代航空保安システム(Communication, Navigation and Surveillance / Air Traffic Management(CNS/ATM)system)の導入計画を策定する「CNS/ATMマスタープラン策定」において、2015年6月28日から7月10日まで国土交通省航空局の釣谷氏が、作成されたCNS/ATMマスタープランで短期に対応する必要がある事項の抽出及び解決策の提言などの助言・指導をするために短期専門家として派遣されました。

釣谷短期専門家は、ヤンゴン空港やヤンゴンArea Control Center(ACC)のCNS/ATMシステムの状況を調査された後、通信システムや監視システム等のカバレージを解析するためのシステムについて、各システムの現状の出力に合わせた解析と、Department of Civil Aviation(DCA)が計画している新しいシステムの候補地についての解析作業を指示し、今後確認することにしました。

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DCA職員に指示する釣谷短期専門家

また、釣谷短期専門家は、今回の活動の一環でCNS/ATMシステムの信頼性に関するセミナーを開催するためにマンダレー国際空港に行きました。マンダレー国際空港では長時間に及ぶCNS/ATMシステムの停止が頻繁に起こっているため、信頼性工学の基礎知識付与、高信頼性のための日本の取り組みなどについて講義を行い、その後マンダレー国際空港の状況を確認しました。

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セミナーを実施する釣谷短期専門家

釣谷短期専門家は、これまでにDCAが作成したCNS/ATMマスタープランを確認し、通信システム及びAir Traffic Management(ATM)センターの整備に対する技術的支援が必要と判断しました。よって、日本の通信システムの整備状況及び危機管理手法、信頼性、2028年頃のヤンゴンACCの航空交通量と同程度の航空機を処理している福岡ACCの施設や機器更新工事の概要、現在国際民間航空機関が導入のために基準等を整備しているVoice over Internet Protocol(VoIP)、DCAが計画している空域再編に係る通信システムへの提言等について講義を行い、今後どのようにミャンマー国のCNS/ATMマスタープランに反映させていくかについて協議を行いました。

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タスクフォースメンバーに対しセミナーを行う釣谷短期専門家

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タスクフォースメンバーに対しセミナーを行う釣谷短期専門家

最終日にはこれまで行ったセミナーや協議等に基づき、今後やるべきTo Doリストを作成し、DCAと当方の相互で確認しました。今後はこのリストに基づき、通信系システムの不通地域や新規システムのサイト選定のための具体的な手法などについて、活発な活動が期待されます。