ADS/CPDLC基礎研修

2016年1月4日

衛星技術を使用した監視・通信システムであるADS/CPDLC(Automation Dependent Surveillance / Controller Pilot Data Link Communication)システムにおいて、通信品質の監視及び不具合解析の体制をDepartment of Civil Aviation(DCA)内に構築することが、本プロジェクトの活動の一つです。この活動の一環で、2015年11月16日から11月20日にかけて、宮邉長期専門家による「ADS/CPDLC基礎研修」が実施されました。

2014年9月から2015年3月まで、ミャンマー国におけるADS/CPDLCシステムの現状調査が行われました。調査の結果、DCA内の航空管制技術官が通信の不具合を解析する技術を習得するためには、最初にネットワーク技術の基礎及び監視・通信システムの概要を習得することが必要との結論が出ました。並行して当該システムの更新工事が進められていることから、工事に影響を与えない時期に基礎研修を実施することになりました。

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講義中の宮邉長期専門家

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受講中の航空管制技術官

研修では、以下の内容についての講義を行いました。
ネットワーク技術の基礎
・PCM(Pulse Code Modulation)等の符号化技術
・TDM(Time Division Multiplexing)等の多重化技術
・PSK(Phase Shift Keying)等の変調方式
・CDMA(Code Division Multiple Access)等の多元接続技術
・CRC(Cyclic Redundancy Check)等の通信時における誤り制御技術

ADS/CPDLCシステムの概要
・日本のADS/CPDLCシステム暫定運用時の訓練やスケジュールの内容
・CSP(Communication Service Provider)概要
・ADS/CPDLCシステムの信号フォーマットやシーケンス、注意すべき通信の問題点
・ICAO(International Civil Aviation Organization)が発行しているGOLD(Global Operational Data Link Document)の概要

2016年2月には、現在DCAで使用されているADS/CPDLCシステムの実際のログを使用して、通信の不具合の解析等について学習する「ADS/CPDLC専門研修」が予定されています。国土交通省航空局技術管理センターから短期専門家が派遣される予定で、引き続きカウンターパートが円滑に研修を受講できるように支援します。