短期専門家(CNS/ATMマスタープラン策定)派遣(Oceanic ATM)

2016年7月26日

本プロジェクトの活動の一つである、衛星技術を使用した次世代航空保安システム(Communication,Navigation and Surveillance/Air Traffic Management(CNS/ATM) system)の導入計画を策定する「CNS/ATMマスタープラン策定」支援の短期専門家として、2016年7月10日から7月16日まで国土交通省 航空局 航空交通管理センターの櫻井氏が派遣されました。DCAが作成したCNS/ATMマスタープランのAir Traffic Management Center(ATMC)構想のAir Traffic Services(ATS)部分を確認し、問題点の抽出と助言指導、早急な対応が必要な課題への提言をするための専門家です。

櫻井専門家は、ヤンゴンArea Control Center(ACC)の機器室や運用室やヤンゴン空港の管制塔等において、ATSや衛星等を使用した監視・通信システムであるADS/CPDLC(Automation Dependent Surveillance/Controller Pilot Data Link Communication)システムの管制官による運用状況について調査しました。

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ACC機器室で調査する櫻井専門家

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ACC運用室で調査する櫻井専門家

櫻井専門家は、DCAが作成したCNS/ATMマスタープランを基にしたADS/CPDLC運用に係るプレゼンテーションを踏まえて、ミャンマー国の現状のADS/CPDLC運用状況を確認するとともに、日本における洋上のAir Traffic Services(ATS)の概要、実際に本邦で使用されているADS/CPDLCシステムの画面表示を使用したADS/CPDLC運用の説明、日本におけるADS/CPDLC通信性能監視及び不具合解析の体制であるCRA (Central Reporting Agency)、洋上ATMに関する訓練についてワークショップを開催しました。

ワークショップにおいては、運用時に必要な交代前ブリーフィング・交代後デブリーフィングをする場の常設、ADS/CPDLC訓練体制の構築、隣接Flight Information Region(FIR)の管制機関との会議体の活用、エアライン等のオペレータとの意見交換の場の常設などの重要性や必要性について提言し、タスクフォースメンバーと協議しました。

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タスクフォースメンバーに対しワークショップを行う櫻井専門家

最終日にはこれまで行ったワークショップや協議の内容に基づき、櫻井専門家が評価会の資料を作成し、DCA、プロジェクト双方で確認しました。今後は、今回の協議内容を踏まえて、ATMセンター内の部屋割り、ADS/CPDLC訓練や関係者会議の設立等の具体的な手法について、活発な議論や活動が期待されます。