コミュニティ啓発ワークショップ

2020年3月31日

2020年2~3月

本邦研修での活動計画策定を受けて、今後プロジェクトで支援する取り組みや活動を最初に展開し、その経験を他の地域に共有・拡大していく段階的なアプローチとして、対象8タウンシップの中から3つのタウンシップ(Minbu、Chauk、Taungdwingyi)が「初期モデルタウンシップ」に選ばれました。先ずは、これら3タウンシップでコミュニティ啓発に関するワークショップが開催されました。このオリエンテーションの対象者は、公衆衛生部門で働くミャンマー保健省のスタッフ(基礎保健スタッフ)合計456名です。

現状調査を通じて、マグウェイ地域では、地域住民が健康教育に積極的に参加しなかったり、基礎保健スタッフが予防接種に来てもらうための人集めに苦労したり、といったコミュニティ啓発やコミュニティ参加による保健活動の停滞傾向がみられました。また、基礎保健スタッフの中にも、コミュニティ参加の保健活動に積極的に取り組む意欲が見られない人もいました。そのため、このワークショップでは、末端で働く基礎保健スタッフがコミュニティ啓発活動の目的や意義を肯定的に理解し、関連の活動に意欲的・自主的に取り組むための意識づけを行うことを目指しました。

コミュニティ啓発に関するワークショップは、各タウンシップで一日ずつ開催しました。まず、保健スポーツ省健康教育課の講師がコミュニティ啓発の基礎的な概念について参加者の理解を深めるセッションを行いました。次に、本邦研修に参加したタウンシップ医務官による本邦研修での学びの紹介や、プロジェクト・チームからの日本やミャンマー国内他地域の地域保健活動や保健ボランティアの取り組みの事例についてビデオを利用して紹介しました。事例の紹介後には、コミュニティ啓発の在り方について、タウンシップ医務官が参加者間の討議を促しました。最後のセッションでは、コミュニティ保健活動計画の策定から実行・モニタリングの流れを7つの段階に分けて紹介しました。特に、最初の2段階である、1)保健指標等の客観的データを住民にわかりやすく示し、住民が自分たちの住む地域の保健概況を理解できるような工夫を行うことと、2)住民が自ら行動を起こすような動機付けを行うことの重要性について議論しました。

ビデオを活用した過去の日本およびミャンマーの実践例をもとに参加者による自由な討議が行われたほか、コミュニティ啓発に係る現場の課題についての意見も参加者から出され、今後の活動につながるワークショップとなりました。

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Minbuタウンシップのコミュニティ啓発ワークショップで説明するタウンシップ医務官(2020年2月)

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Chaukタウンシップのコミュニティ啓発ワークショップで発表するタウンシップ医務官(中央)(2020年3月)

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Chaukタウンシップのコミュニティ啓発ワークショップの様子

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参加者との討議セッションをリードするTaungdwingyiのタウンシップ医務官