伝統的助産介助者(Traditional Birth Attendant)のモニタリング強化に向けた関係者会議開催

2017年10月27日

ラゴス州では、妊婦に対し医療機関で出産をすることを推奨していますが、24時間産科ケア提供可能なヘルスセンターの数の不足や伝統的習慣等の理由から、伝統的助産介助者(Traditional Birth Attendant、以下TBA)(注)を利用する妊産婦は後を絶ちません。州政府はこの状況を鑑み、妊産婦が出産を含めた安全な産前産後ケアを受けることができるよう、TBAに対して既定の研修を実施しています。研修を修了した者は厳正な審査ののち、TBAとして認定登録されますが、その後は妊産婦への適切なケアの提供のみならず、医療機関との連携強化による包括的支援の継続を行うことが期待されます。しかし、TBAによる妊産婦ケアサービス提供の実態は、州政府レベルで把握できていないのが現状です。

プロジェクトでは、TBAによる妊産婦ケアに関連して、ラゴス州プライマリー・ヘルス・ケア庁、ラゴス州伝統医学庁、ラゴスメインランド及びエティ・オサ地方行政区保健チームの職員、行政区内のTBA協会委員長を招集し、TBAに関わる支援ニーズについて協議しました。協議の結果、以下の3つのニーズを確認しました。

1)TBAからのデータ収集フォーマットおよび情報の流れの標準化
2)TBAからの患者紹介システムの標準化
3)現在使われているTBA研修マニュアルを基に、TBAのスタンダードケア及びスーパービジョン・チェックリストの開発

今後、プロジェクトでは、これらのニーズに応えるため、プロジェクト対象地方行政区において活動を計画していく予定です。

(注)世界保健機関(WHO)は、TBAとは専門的訓練を受けていないが、伝統的に、しかも自立して地域で妊娠・出産・産後の世話をしている者と言及。

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TBA関係者会議での話し合いの様子