持続可能なよりよい復興(Build Back Better)を目指して

2015年10月30日

2013年11月8日にフィリピンを襲った超大型台風ヨランダ災害からもうすぐ2年が経とうとしています。フィリピン政府は、台風被災以来、Build Back Better(単に復旧するのではなく、災害に強いより良い地域社会の復興を目指す)を復興のスローガンに掲げました。このスローガンのもと、今日も被災地では、様々な復興事業が行われています。
JICAは、2014年2月から本プロジェクトを開始し、それ以来プロジェクトチームのメンバーが交代で現地入りし、現地活動を続けています。復興の道程は長い、とよく言われます。本プロジェクトでは、フィリピンの人たちが中心となって、継続して復興に取り組める仕組みや現地に適用できる技術など、持続可能な復興を目指した支援を行っています。

【画像】プロジェクト対象地域

昨年プロジェクトで作成した高潮や暴風などのハザードマップを、被災した地方自治体や関係する中央の省などに供与しました。その後、プロジェクト対象の地方自治体では、住民と対話をしながら復興デザインの基礎となる包括的土地利用計画や、コミュニティごとの避難計画を作成しています。また、台風により生計手段を一瞬にして失った人々への生計手段の確保や販路拡大、台風に強い公共施設の建設と技術者の育成、職業訓練学校のカリキュラム改訂などを行っています。

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ハザードマップを見ながら協議する

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ミルクフィッシュの生簀

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出荷前のミルクフィッシュ

これまで多くの自然災害から立ち上がってきた日本の復興経験と教訓を本プロジェクトに活かすことも効果的な支援に欠かせません。今年、東日本震災からの復興に取り組む宮城県東松島市とJICAでは協力提携を結びました。これまでに本邦招聘プログラムとして、同市では、計3回フィリピンから地方自治体、中央政府関係者、生産者グループ代表など様々なプロジェクト関係者を受け入れ、同市の復興の取り組み紹介やそのプロセスを共有する機会を設けました。この招聘事業を通じて、東松島市とフィリピンの人々の交流が徐々に深まっています。多くの台風が通過するフィリピンと日本。相互に学びながら、復興にともに立ち向かう。そのプラットフォーム作りにも取り組んでいます。
本プロジェクトは社会基盤・平和構築部が主管ですが、JICAフィリピン事務所をはじめ、本部の関係部署とも連携し、支援しています。多くの関係者が一丸となって取り組んでいる台風ヨランダ災害からの復旧復興プロジェクト。
現地でフィリピンの人々が取り組んでいること、芽が出た成果などホットなニュースをタイムリーにお届けしたいと思います。