あの日を忘れない、台風に負けない社会を次世代のために−台風ヨランダ被災から2年−

2015年11月19日

2015年11月8日、超大型台風ヨランダ災害から2年。各被災地で2周年記念イベントが開催され、プロジェクト関係者も招待されました。プロジェクト対象地域のレイテ島・サマール島の湾岸地域の市や町では、亡くなった方々の慰霊、復興支援への感謝、台風に負けない社会づくりのメッセージを広く発信するなどの目的で、イベントが開催されました。そのうち、JICAフィリピン事務所白水所員、JICA運営指導調査西木団員、平林団員は高潮被害で最も被害の大きかったPalo, Tanauan, Taclobanのイベントに参加してきました。

それぞれのイベントでは、市長や町長がスピーチのなかで会場にいる人々にメッセージを送ります。JICAを含む海外からの支援への謝辞も述べられました。「台風は私たちを打ち負かすことはできない。私たちは台風に被災した日を忘れない。次の世代のために、明るい社会を作り前に進んでいきます。」など、未来志向の言葉が多かったのが印象的でした。

Paloでは、日本のNGOが教えた竹細工に火が灯され、優しい明かりが会場を包んでいました。Tanauanでは、イベントの終わりにステージの上からハトが大空に放されました。

Taclobanでは慰霊ウォークが開催され、市内から3キロほど離れたスタジアムまで参加した市民等が歩いて移動しました。そのスタジアムは台風ヨランダ通過の際、避難した8千人以上の人々を台風から守った象徴的な施設でした。8日の夜、Tacloban市では人々が通りにキャンドルを並べ、火を灯しました。一列に並ぶキャンドルの灯をじっと見つめる子供たち。灯りの中に子供たちはどんな未来を見ていたのでしょう。子供たちを照らし続ける明かりが消えないように、新たな気持ちで取り組んでいきたいと感じた2周年でした。

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伝統的な踊り(Palo)

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大空に向かってハトが放たれる(Tanauan)

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イベント会場(Tacloban)

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キャンドルを見つめる子供たち