安全なまちづくり:「ドローレスさん物語」第4回−ドローレスさんの花道−

2016年8月5日

2016年3月、市民代表者が参画した、土地利用計画改訂の連続ワークショップも終わりを迎え、「タクロバン市のみんな」の意見が反映された土地利用方針が図化された。

奇しくも2年前、本プロジェクトが提案した計画案とほぼ同じものとなった(同時期に、UNHABITATも市役所職員対象のワークショップを並行して行い、異なるアプローチを試みたが、これも2年前の本プロジェクト案とほぼ同じ内容となった。これについては、後に紹介するジャニスさんのストーリーで少し触れたい。)。

2年前には、あまりピンと来ていなかった都市計画部の職員も、今なら自ら土地利用計画の内容を説明できる。自分たちで考えた結果の賜物だからこそ、計画の重みは全く異なる。

今なら「自分たちで作ったタクロバン市の計画」、と自信を持って言えるだろう。現在は、同計画の最後のとりまとめ段階に入っている。公聴会を経て、7月以降に土地利用計画は最終化される予定である。

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タクロバン市の土地利用計画改訂ワークショップ

一連のワークショップがひと段落した頃、ドローレスさんが語ってくれた。「定年の申請をした際、理由は言われなかったが、2015年の定年退職は承認されなかったのでこの業務を続けることになった。その時、こんなこと(自分たちで作る土地利用計画)が実現するとは思ってもみなかった。ジャニスさんをはじめ、若い人たちがタクロバン市役所に入ってきた。世代交代の時が来るのね。」

まだしばらく先になるのかもしれないが、土地利用計画改訂作業をやりきったすがすがしさとともに、ドローレスさんは定年退職の日を迎えることになるだろう。

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ワークショップ会場で語るドローレスさん(中央)