本プロジェクトがフィリピン技術技能開発機構から表彰を受ける−台風に強い施設建設と人材育成のパッケージ支援−

2016年10月7日

9月22日、マニラのフィリピン労働雇用省技術教育技能教育庁(TESDA:Technical Education and Skills Development Authority)が毎年開催する、TESDA事業への貢献団体・個人への表彰式が行われました。その際、開発パートナー部門で、本プロジェクトがTESDAから表彰を受けました。

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表彰式の様子(TESDA Women’s Centerにて)。

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表彰式後:写真右から在フィリピン日本国大使館榎一等書記官、JICAフィリピン事務所吉田所員、TESDA 地域8事務所所長、山本QIPsチームリーダー、(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル マニラ事務所浅野所長

本プロジェクト1年目には、クイックインパクトプロジェクト(Quick Impact Project: QIPs)として、台風ヨランダにより全壊した東サマール州バランギガ町にある、TESDAの職業技能訓練校舎(食品加工・ホテルサービスなどの訓練棟)を新設。2年目には、同じく全壊した別棟の校舎(大工・配管工などの訓練および食品加工・バーテンダー訓練棟)を新設しました。校舎新設のプロセスで、日本から派遣した屋根工と溶接工が、TESDAの講師、職人や町役場の担当者などに対して、現場にて実地訓練を行いました。同時に、TESDAの研修カリキュラムの改訂とマニュアル作成も行いました。マニュアルは冊子だけでなく、実地訓練の模様を収めたビデオ教材も開発しました。

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全壊した食品加工校舎

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本プロジェクトにて新設した同校舎

表彰式後お会いした、TESDAの地域8事務所長は、「本プロジェクトによる協力は、今回の表彰以上のことを、私たちにしてくれました。」と改めて語ってくれました。

現在では、台風ヨランダで被災した地域(地域8)にあるすべてのTESDA関連校130校で、改訂したカリキュラムとマニュアルを活用して技術訓練が行われています。新設した校舎では、通常の授業が再開しており、校舎には活気が戻っています。「台風前よりもTESDAの校舎と設備は、良くなり、カリキュラムとマニュアルも整備されました。これからは、TESDAにあるこれらの施設と仕組みを最大限に活用して、より多くの人々の技術・技能向上に貢献していきたい。特に、TESDA職員が現地に出向いて、被災者一人一人の零細企業育成に尽力していきたい。」との同所長の強い決意を伺うことができました。

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日本から派遣された屋根工臼井さんによる実地訓練

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本プロジェクトで開発協力した技能訓練マニュアル

本プロジェクトによる総合的な支援で、TESDAの技術・技能訓練のための基盤整備が進みました。これからも、台風に負けない地域社会づくりに向けて、TESDAは、被災者一人一人に丁寧に貢献していくことを実感した、地域8事務所長との面談でした。