安全なまちづくり:「ジャニスさん奮闘記」第4話−自分たちの計画−

2016年11月28日

さて、国際連合人間居住計画(以下、UNHABITAT)のワークショップは、タイミング的にタクロバン市役所職員の頭の体操になったようだ。包括的土地利用計画(以下、CLUP)改定ワークショップは、作業完了に向けてうまく機能した。市役所職員は、JICAプロジェクトチームからの助言もすんなり理解できたようだ。彼らは再度、市の地図を見ながらCLUPを検討・議論した。「みんなで決めた」計画は、JICAプロジェクトチームが2014年に策定支援した案とほぼ同じとなった。もう立派に育ったタクロバン市の案だ。

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この改定作業を通してタクロバン市が得た一番大きな成果は、計画へのオーナーシップの醸成だったと言える。コンサルタントに発注していれば計画策定はもっと簡単だったかもしれない。しかし、その案に対してオーナーシップを持つことは出来なかったかもしれない。タクロバン市職員や住民は、自分たちで議論して、計画のオーナーシップを育てていった。ジャニスさんとドローレスさんが市の職員と、住民を巻き込む方針を諦めなかった熱意が成しえたのであろう。タクロバン市は「自分たちのCLUP」と、今は自信を持って言えるだろう。

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JICAプロジェクトチーム荒木専門家(写真左)とジャニスさん(写真右)

ジャニスさんは、「確かに効率は悪かったと思うけど、たくさん実施したワークショップのおかげで、皆が計画にオーナーシップを持つことが出来た。それが市にとって重要だった。」と振り返る。色々な人や組織の間に立って、調整に奮闘した日々だった。タクロバン市のCLUP案の完成とともに、ジャニスさんが胸をなでおろす日が来るのも、もう少しだ。
頑張れジャニスさん!

以上