2023年5月5日
狂犬病をなくすためには、犬への狂犬病ワクチン接種が最も重要です。フィリピンでは、年に一度、地域のバスケットボールコートなどで犬の集団接種が行われます。しかし、多くの地域ではあまり人が集まらず、犬のワクチン接種数率が向上しないことが、大きな問題でした。現在、フィリピンでは、コロナ禍の影響で犬へのワクチン接種率が劇的に低下し、多くの人が狂犬病で命をなくす悲しい現状があります。
そこで、プロジェクトでは、犬のワクチン接種率向上を目指して、ブラカン州ギギント市動物局とワクチン集団接種イベントを開催しました。
イベントには、プロジェクトで一緒に活動するフィリピンで絶大な人気を誇るインフルエンサー Fumiya(SNS総フォロワー600万人)が参加しました。ギギント市役所やFumiyaは事前にSNSを通して、広く地元住民に参加を呼びかけました(写真1)。その結果、当日は多くの人が会場に集まり、例年より多い670頭もの犬・猫に狂犬病ワクチン接種を行うことができました。
会場では、ギギント市長とFumiyaのTikTokダンスイベントが行われたほか、プロジェクトで作成したうちわ(狂犬病知識啓発用)の配布が行われました。SNSの活用とインフルエンサーの助けにより犬の狂犬病ワクチン接種は飛躍的に向上しました。このような方法をフィリピン各地で行えば、全国の狂犬病ワクチン接種率が向上すると思われます。
プロジェクトは、今後とも、狂犬病蔓延地域での狂犬病対策活動を支援していく予定です。