第4回保健人材グローバルフォーラム(アイルランド国ダブリン)参加

2017年11月17日

2017年11月13日から17日

保健人材分野では、2030年までにUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)を達成すべく、「1,800万人の保健人材を確保すること」をグローバルな目標の一つとして掲げています。その実現のためには、各国保健省、財務省、公務員省、教育省、民間セクター等、マルチセクターでの取り組みが必要不可欠と考えられています。その取り組みを促進することを目的とし、保健人材に関わるアクターが世界各国から集まり、保健人材グローバルフォーラムが毎年開催されています。第4回目となる今回の会議は、アイルランド国ダブリン市内のホテルにて、11月13日から17日の計5日間の日程で開催されました。11月13日と14日にサイドイベント、15日から17日に本会議、口頭発表セッション、ポスター発表セッション、そして各ドナー等のブース出展等が行われました。

当フォーラムへは、RVT2010から、加盟国13か国中11か国(注1)の保健省人材局長、サイドイベントに参加予定のニジェール人医師とセネガルRVTフォーカルポイント(事務局アシスタント1名を含む)の計15名が参加しました。

RVT2010からの参加者は、11月14日午後に「仏語圏アフリカにおける僻地保健人材定着の取り組み」と題してサイドイベントを開催しました。1)僻地保健人材の現状を伝えるビデオ上映、2)RVT2010紹介、3)セネガル国僻地人材定着研究結果及びRVT加盟国における僻地人材定着の経験共有、4)RVT2010・WHO・APHRH(アフリカ保健人材プラットフォーム)・NCGM代表者によるパネルディカッション、5)会場からの質疑応答と、制限時間の1時間30分間で、約50名の参加者を得て、熱気に満ちた会議となりました。セネガル調査結果で僻地勤務者が継続して働く条件としては、インセンティブより政府雇用による安定や機材や薬剤等の職場環境整備、継続教育を望んでいること、保健省だけではなく教育省、財務省、公務員省なども含めたマルチセクターで包括的に取り組む必要があること、政府予算活用が必須であり、継続した強力な政府のコミットメントが重要であることが確認されました。

さらに、RVT2010メンバーは、当プロジェクトが支援していたサイドイベントだけでなく、他のセッションにも多数登壇しました。ギニア国ファザ医師は、口頭発表セッション登壇者に選ばれ、「ギニア国でのRural pipeline(注2)の取り組み」について発表し、トーゴ国カジャンタ保健省人材局長はWHO主催のセッションで、「トーゴ国保健市場調査結果」を発表した。また、セネガル国、コンゴ民主共和国、ニジェール国、トーゴ国、コートジボワール国人材局長は、フランスが支援するムスコカ基金でのサイドイベント(11月13日)でパネリストとして登壇しました。

期間中に実施されたAPHRH会合では、RVT2010が、新たにボードメンバー(計23団体)にも選出されました。RVT2010/JICAブースにも連日、多くの訪問者が訪れ、実りの多い意見交換が行われました。RVT2010は保健人材グローバルフォーラムには第2回から連続して参加していますが、その中でも今回はRVT2010の存在感を最も大きく示した国際会議となりました。

(注1)ギニア、コートジボワール、コンゴ民、セネガル、中央アフリカ、トーゴ、ニジェール、ブルキナファソ、ブルンジ、ベナン、マリ
(注2)地方学生のリクルート・地域保健活動を教育に組み込む、卒業生を出身地で採用する等の政策

文責:専門家(業務調整)岡安利治

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11月14日RVT2010サイドイベント パネルディスカッション(左からNCGM藤田医師、WHOパスカル氏、RVT2010事務局長ジュフ氏、APHRHオマスワ教授、RVT2010財務担当エピファン氏)

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11月15日WHO主催セッションでのトーゴ国カジャンタ氏(RVT2010渉外担当)によるトーゴ国保健人材市場調査結果発表

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11月16日ギニア国ファザ医師による「ギニア国におけるRural Pipelineの取り組み」に関する口頭発表

【画像】11月17日 RVT2010ブース前にて、参加者集合写真