第5話:体が資本

2010年5月9日

シエラレオネでは様々な分野、例えば農業や製造業で機械化が遅れ、地方では電気供給がないためコストの高い自家発電に頼らねばならない。遠くの井戸まで水汲みに行かなければならないし、公共の交通機関も発達していないため移動も不便だ。そのため、シエラレオネ人々は自分の体が頼りだ。ここカンビア県では、県の中心以外では交通手段を探すことは難しく、料金も地元の人々には高価なため、長い距離も徒歩で移動しなくてはならない。

私達が車で移動していると、農作業を見かけることがよくあるが、作業で汗が光るお父さん達の引き締まった体が拝める。建設作業に使用する小さな石を、大きな石から地道に砕いている場面も良く見かるし、建設現場ではこのような小石やブロックをバケツリレーで運んでいる。このように体を使っている割には、何故かお母さん達はふくよかな体型が多いのだが、お父さんや青年達は農作業やその他力仕事で鍛えられた締まった体をしているため、一見の価値ありである。上半身裸の男性(女性もだが・・・)が多いので、この国で筋肉鑑賞が趣味になったという日本人女性もいる。この鍛え上げられた肉体が、CDCDパイロットプロジェクトの労働力として活躍する予定なので楽しみだ。ちなみに、カウンターパートである県議会の男性職員達は恵まれた生活をしているせいか、若くてもお腹がでっぷりである。

【写真】

ビーチでサッカーに興じる若者たち。

また、シエラレオネの少年や青年の一番の楽しみはサッカーで、ビーチや空き地でサッカーをしている光景が良く見られる。カンビア県でもイギリスのプレミアリーグの試合を飲み屋さんで見ることは地元の人にとって大きな娯楽の一つだ。フリータウンでは、歩いているだけで汗だくになる気候の中、トレーニングのためにビーチ沿いを走りこんでいるサッカー青年も多い。フリータウンの海をバックに、鍛えられたスリムな体でサッカーを楽しむ彼らの姿を眺めるのは、シエラレオネの楽しみの一つとしてお勧めだ。白い砂浜、青い空・海に彼らの黒い肌が映える。彼らの中から将来有名なサッカー選手がでて、シエラレオネに明るいイメージを与えて国民が誇れる存在になって欲しいものである。シエラの力(=鍛えられた体)ここにあり!