第7話:ヤギは最高のおもてなし

2010年7月23日

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あー、生きててよかった。

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ボリューム満点のヤギ肉とご飯。

ポートロコ県サンダマボロントーチーフダムのワード180は四方を川に囲まれた土地で、川を筏で渡らなければたどり着けない。ひとつのチーフダムにワードひとつという、超巨大ワードでもある。ここではヤギの飼育が盛んなそうで、他よりも安くヤギを買えるそうだ。ヤギを抱えたお母さんをよく見かける。

ここにワークショップなどに訪れるといつもヤギ肉のご馳走を振舞ってくれる。とろとろに煮込まれたヤギ肉とピリ辛ピーナッツソースの絶妙なハーモニーがたまらなくうまい。昼食タイムになると、みな口も利かずに、いかに多くのヤギ肉を口に頬張るかだけを考えている。ヤギ肉の取り合いでケンカになるんじゃないかと心配されるかもしれないが、心配ご無用、食べきれないほどのヤギ肉を振舞ってくれるのだ。

みな家族にも食べさせたいとビニール袋に残りを入れて持ち帰っているほどだ。うちのプログラムオフィサー、モハメド君などは「俺はヤギの肉だけでお腹いっぱいになったのは生まれて初めてだ。人生最良の食事だった」と言っていた。そういうことなら、彼にはもう少し働いてもらおうと思う。

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ヤギを連れた母娘。

ある時は帰り際に生きたままのヤギを持たせてくれたこともある。こちらの文化で断るのは大変失礼なので、みなでありがたく頂いて県議会に持ち帰った。休日にみなで潰して食べようと杭につないでおいたが、我々のいない間に主席執行官の指揮の下、きれいさっぱり食べられてしまった。待ちきれないほどうまかったんだろうなあと思う。

(久保嶋専門家)