パイロットプロジェクト 現地踏査終了! そして実施契約へ

2010年5月9日

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泥まみれになりながら小船で現場へと向かうプロたち例えば、この一本道と壊れた橋を補修する

去る5月4日、パイロットプロジェクト実施可能性調査のための全12ワードにおける現地踏査を無事に終了した(9月以降に残り20ワードを対象に事業を実施する予定)。

ほとんどの県議員にとって、また地元住民にとっても、1,800万レオン(5000USドル弱)という大金を使って自分たちのプロジェクトを作るという経験はもちろん初めてのことである。従って、プロジェクト計画作成ワークショップでは予算規模を度外視した実施可能性の低いプロジェクトが出てきたりもする。そのため県にある各分野(水、道路、教育、保健など)の県事務所職員を専門家として招集し、プロジェクトの現場へ赴き、本当に実現できるプロジェクトなのか技術と予算規模の観点から実施可能性をチェックする必要がある。

またこのプロセスを促進する理由として、県議会が各分野の県事務所を調整する能力を育むという重要な目的がある。各分野の県事務所の調整と一言で言うのは簡単であるが、実際に行うのには様々な困難がつきまとった。県議会事務所職員が同行を放棄したり、技術者が謝礼の無いことを理由に同行を渋ったりと、調整は難航した。そんな中、1件1件の現地踏査までこぎつけてきたのである。その先には住民たちが待っている。

ひとたび現場に出てしまうと、彼らその道のプロたち(県の道路局、水事務所職員たち)は、職人魂に突き動かされるのか実に積極的に意見を述べ、不可能と思えるプロジェクトを実現に導くために、あの手この手で方策を講じてくれた。時には、食べ物が手に入らず、のどの渇きをマンゴーで癒しながら調査を続けたり、膝まで泥につかりながらも文句ひとつ言わずに、黙々と現場へと向かうのであった。

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泥まみれになりながら小船で現場へと向かう県道路局職員

あれほど行くのを渋っていたその道のプロたちをこれほどまでに突き動かしているのは、コミュニティにポジティブな変化をもたらしたいという彼ら自身の意欲であり、これらのプロジェクトがその変化をもたらすことができるという確信を、彼ら自身が現場踏査により得ることができたからなのではないだろうか。そんなことを考えながら、無事現地踏査を終了した。これからいよいよプロジェクトの契約を迎える。