6月からパイロットプロジェクトのモニタリング開始

2010年6月21日

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改修が必要な井戸。パイロットプロジェクトで手押しポンプをつける予定だ。

6月より本格的にパイロットプロジェクトが現場で動き出し、調達や建設工事が始まった。パイロットプロジェクトを無事に完了させ、様々な教訓を得るため、今後2ヵ月はモニタリングがプロジェクトの主要な活動の一つとなる。

県議会のモニタリング・評価担当職員は病気で参加できなかったが、初のモニタリングとして、カンビア県ワード133(プロジェクトは2ヵ所の手押し井戸修理)でプロジェクト運営委員会の委員長である県議会議員と、地元住民にインタビューを実施し、工事の進捗を確認した。

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住民にインタビューする金田専門家。

このワードでは、地元住民が無償で労働力や一部の資材を提供する計画なのだが、「安全な水を心待ちにしている住民は進んでプロジェクトに貢献して、毎日必要以上の住民が工事を手伝うために集合しているから工事が予定より早く進んでいるよ。地元住民に労働費を渡さないと上手くいかないという人もいるけれど、住民にきちんと説明すれば協力してくれる」とうれしそうに議員のカマラさんが答えてくれた。

工事に従事する住民向けの食事を当番制で周囲の家庭が用意したり、資材を次の村に運ぶための燃料代を皆で出し合ったりしている、と住民からの声も聞いた。このワードでは、求められた書類をしっかり作成してプロジェクトを管理している議員のがんばりも大きいのだが、プロジェクト管理委員会のメンバーとなっている伝統的統治者であるチーフ、女性グループ代表、青年グループ代表などがコミュニティとの橋渡し役となって、地元住民の間でしっかりと話し合いがもたれて情報共有されていることがうまく進んでいる秘訣のようだ。

今後のモニタリングでは、問題を抱えているワードもでてくるはずであるが、成功の鍵や問題の原因を関係者で共有して学んでいく予定である。

(金田専門家)