在来ブタ精子を利用したハイブリッド体外生産胚を作る事に成功しました

2016年8月11日

本プロジェクトの活動の一つは「在来ブタの体外胚生産と卵ならびに胚の超低温保存技術の高度化」です(PDM、活動2)。

生物工学研究所(IBT/VAST)は昨年11月より実験を繰り返し、日本とベトナムのプロトコールを元に、ベトナムの実験室環境に最適なプロトコールを模索してきました。その結果、8月11日の実験で、在来ブタの凍結精子とランドレース種の卵母細胞(卵)から体外受精による初期胚(胚盤胞)の作製に成功しました。今後は、より高品質な胚盤胞の効果的な作成が望まれますが、今回の成功は、次にめざす精子、卵ともに在来ブタを使った胚盤胞の作製へ向けた大きな一歩と言えます。

さらに、卵および胚の超低温保存技術の確立へ向けた実験が開始されました。5月と8月に実施されたベトナム側研究者への技術指導と繰り返しの実験を経て、ランドレース種の卵の凍結技術が向上しつつあります。

今年10月からは、いよいよ在来ブタの精子と卵からの体外胚生産と卵の凍結へむけて実験を開始します。

(文責:山岸 信子、業務調整)

【画像】

作成された在来ブタのハイブリッド胚盤胞