「持続的森林管理計画づくりと森林認証」に関するレビューを支援しました

2022年5月16日

当プロジェクトの政策支援コンポーネントでは、持続的森林管理や生物多様性保全に必要な政策・計画等整備の技術支援をおこなっています。その一つが「持続的森林管理計画づくりと森林認証」に関する現状のレビューです。

2017年に改定された森林法では、法人の森林所有者には持続的森林管理計画策定の義務が課され、個人や世帯などの森林所有者には計画策定が推奨されています。ベトナム政府はこの重要課題に取り組むために、2018年に「持続的森林管理計画づくりと森林認証」に関するプロジェクトを首相承認(首相決定1288号)しました。同プロジェクトは2030年まで続くものですが、開始から既に3年が経過したことを受けて、ベトナム森林総局がその実施状況のレビューを行うため、SNRM2プロジェクトに支援要請をしたことからこの活動が実施されることとなりました。

このレビュー結果によれば、全国にある743の法人森林所有者の内331組織(約45%)が持続的森林管理計画を策定済みで、これによりカバーされる森林面積は約400万ヘクタール(約48%)となっていることが判明しました。また、森林認証については、2020年末までに約31.4万ヘクタールが認証を受けており、その多くが森林管理協議会(FSC)によるものであることが分かりました。ベトナムでは後発で始まったPEFC森林認証プログラムも存在していますが、同制度による認証は約7万ヘクタールとなっています。

同プロジェクトの進捗は総じて順調という結果となりましたが、持続的森林管理策定の手順(農業農村開発省通達28号)が多くの森林所有者にとっては煩雑すぎること、政府からの支援や補助金が限られていること、森林認証費用が未だに高いこと、認証木材の市場が未発達であることなど、課題も多いことが指摘されています。今後、「持続的森林管理計画づくりと森林認証」をさらに推進するためには、上記課題を解決していくことが求められています。