2020年2月21日
JICA海外協力隊・飯盛 元貴(体育)
2018年1次隊、体育隊員の飯盛元貴です。はじめに任地紹介から行います。私はガダルカナル島にあるBurns Creek Adventist High SchoolというSDAの学校で活動しています。皆さんSDAという宗教ご存知ですか?SDA(Seventh Day Adventist)とは土曜日を安息日として定めるキリスト教の一派です。私の同僚はお酒、たばこはもちろん、ここソロモンでの一番の嗜好品でもあるビートルナッツにも手をつけません。ほかにも豚肉、エビ、カニ等の甲殻類は食べられないなどたくさんの制約があります。(理由は省略、詳しくは聖書で)彼らは厳格なキリスト教信者なのです。
そんな中で私は配属先、そして隣接する小学校の両方で体育の授業を行っています。私も授業の冒頭と最後はお祈りの時間を設け、学校のイベントには全て参加しできるだけ彼らにとっての“宗教とは”を常に理解しようと心掛けています。また体育が未だ普及しきっていないソロモンでの授業は毎日苦悩と挑戦の連続ですが、言葉が通じたときの感動や、生徒が体育の意義やゲームの楽しさを理解してくれた時は何にも代えがたい気持ちで胸がいっぱいになります。また、私の家は首都では珍しくのホームステイの様な家に住んでおり9人の大家さん家族と定期的に来る島からのワントク(広義の親戚)でおしゃべり、ダンス、時に喧嘩と家は毎日大賑わいです。
題名の「ソロモン人になりたくて」は私がソロモンに派遣される前に活動のテーマに掲げていたものです。現在私の生活は朝レインタンクに水を汲みに行くことから始まり、夜は1kg程の米と芋と魚を食べます。学校行事で村に行けばジャングルに食材を探しに行き、川で入浴を済ませます。これまで村にはまだ5回も行ったことがありませんが、ことあるごとに同僚たちは「ゲンキはジャングルでたくましくココナッツを剝いていたぞ!」「あいつは川でお風呂に入っていたぞ、まるで“ソロ”だよ!」などと私のことをまるで自分のことのようにみんなに自慢してくれます。そしてソロモン人は食べることと同じくらいおしゃべりが大好きです。いつも腹を抱えながら笑いあう彼らを見て日本での「幸せ」とは何かを時折考えさせられます。私も周りの人達を笑顔にしたい!と思うようになり、日本で大して目立たてなかった私でも今ではソロモン人の微笑を誘えるほど笑いのツボが少し掴めてきました。そんなこんなでピジン語も現地語も少しは話せるようになり、日本では味わえない非日常を楽しんでいます。
去年はありがたいことにJICAソロモン40周年記念行事では実行委員長を務めさせて頂き、ラジオ出演の依頼など人前に出る機会を多く頂きました。これらの貴重な経験をこれからのソロモン、そして帰国後の日本で発信できるよう残りの任期も大切に過ごしていきたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。