150. 持続的な稲作モデルとICT活用の現地視察・研究交流(2025年8月5-9日)
研究モデル1「ベトナム・メコンデルタ地域に適した持続型農業システムの開発と応用」を担当する九州大学の田代幸寛准教授、研究モデル11「インダストリー4.0による環境モニタリング技術の農業・養殖業への応用」を担当する京都大学の桂圭佑教授が来訪。カントー大学(CTU)のNguyễn Khởi Nghĩa准教授(農学部)、Trương Minh Thái博士(情報通信技術学部)らと、現地視察と研究議論を行いました。
モデル1では、微生物資材と有機肥料を活用し、化学肥料の使用を抑えながら、不耕起栽培および間断灌漑(Alternate Wetting and Drying: AWD)を組み合わせ、塩水遡上地域でも温室効果ガス排出を抑えつつ稲作を持続するモデルの構築を目指しています。モデル11では、この圃場に自動センサーを設置し、土壌環境データをインターネット経由で取得・解析し、開発中のソフトウェアで作業管理を行う試みを進めています。今回訪れたAn Giang省(旧Kiên Giang省)Hòn Đấtの実験圃場では、土壌サンプルを採取し、推奨耕作法による土壌有機物増加の成果を確認しました。
CTUに戻った後は、研究成果発表会を行いました。越日双方の研究者や民間企業が参加し、微生物資材、不耕起栽培、ICT技術を取り入れた稲作について活発な議論が行われました。また、田代先生と桂先生が、CTUの農学部および大学院(スマート農業ならびに気候変動に関連する修士課程)の学生に向けた特別講義を実施しました。
関連参考プロジェクトニュース:
第105号「持続可能な稲作モデル研究チームが研修会を実施」
第114号「微生物資材活用による持続可能な稲作を目指す共同研究」
第115号「メコンデルタで農業、水産へのICT活用を考える」
写真1:圃場で。稲の実りや根の張り具合を確認する桂先生(右)と田代先生(中央)。
写真2:モデル圃場で
写真3:研究成果発表会参加者
写真4:特別講義を終えて