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コレラ・アウトブレイク対応 よりよい成果を出すために―外部専門家の協力

プロジェクトでは、2023年10月に首都ルサカで始まったコレラ・アウトブレイクに対して、紙カルテの電子化とデータ分析コレラ地図の作成、コレラ菌検査、薬剤感受性検査など、様々な専門領域で感染症対策を支援しています。今回のコレラ・アウトブレイクはザンビア史上、最大規模と言われており、このような大規模な公衆衛生危機の現場で、複数の専門領域にまたがるアウトブレイク対応を迅速に展開していくためには、プロジェクトチームだけでなく、外部専門家の支援・協力なくしては成しえません。

そのような中、2024年2~3月の期間に、合計7名の外部専門家を国立感染症研究所からルサカに派遣いただき、アウトブレイク地域で様々なプロジェクト活動をご支援いただきました。

活動① 検査の質の向上
ザンビア国立公衆衛生研究所・レファレンスラボラトリー(ZNPHRL)でのコレラ検査の質を向上させる取り組みにご協力いただきました。便検体が採取されるコレラ治療センターの状況を確認していただくとともに、ザンビア人検査技師による細菌検査に実際に立ち会っていただき、コレラの検出率を上げるための検査手技や検体の取り扱い方法についてご指導いただきました。アウトブレイク発生当初、ZNPHRLでは、他国の報告と比べてコレラ検出率が低いこと、その原因が明確にわからないことなどが課題となっていました。しかし、「医療施設での検体採取方法が適切でないのではないか」「検体の状態に応じて、ZNPHRLで菌を増やすステップを追加してはどうか」など具体的なアドバイスをいただき、医療施設での検体採取方法の指導や、検査室内でのプロトコル検証につながりました。

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ZNPHRLで検査技師とコレラ検査の手技の確認をする外部専門家メンバー

活動② 「コレラ地図」のブラッシュアップ
プロジェクトで開始していた、ルサカ内の流行拡大状況を「見える化」する取り組みである「コレラ地図」を作る活動に対して、統計分析ソフトを用いた作業の効率化、その週の流行地域がどこか、流行地域がどのように変化していっているのかを「見える化」する時空間解析の技術導入など、地図の質をさらに向上させるための改善点についてご指導いただきました。ルサカ内で感染症対策を強化する必要がある地域がより明確になっただけでなく、地図作成の業務負担が大きく減ったことも、ザンビア人の疫学技官たちに歓迎されました。 

活動③ 紙カルテの電子化の評価
ヒーローズスタジアムに開設された臨時病院で疫学・臨床データの収集・分析を支援する取り組みにご協力いただきました。プロジェクトで設置した緊急対応室のメンバーと共に、データの収集状況や分析内容の質の評価を行っていただき、より効率よく、そして感染症対策や医療の現場でより役に立つデータ支援を行うための提言をいただきました。現場の医師や疫学技官からは、「アウトブレイク時の焦点を絞ったデータのまとめ方や発信の仕方が勉強になった」という声が多く聞かれました。

感染症対策の高い専門性を有し普段は日本を拠点に活躍されている専門家、そしてザンビアで平時から感染症流行への準備や現地スタッフとの信頼関係構築を行っているプロジェクトメンバー。この両者の協力が、ルサカでのコレラ・アウトブレイク制圧に向けた活動を強く後押ししています。プロジェクトでは、これからもこのような国内の協力体制を生かし、ザンビアでの感染症流行の被害を少しでも軽減できるよう、活動を続けていきます。

(謝辞)以下の先生方にザンビアでのアウトブレイク対応をご支援・ご指導いただきました。ありがとうございました。
国立感染症研究所 細菌第一部 明田幸宏先生、泉谷秀昌先生(短期専門家派遣)
国立感染症研究所 感染症疫学センター 神垣太郎先生、大谷可菜子先生、閻芳域先生(調査団派遣)
国立感染症研究所 実地疫学研究センター 土橋酉紀先生、光嶋紳吾先生(調査団派遣)

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アウトブレイク対策支援の内容についてザンビア国立公衆衛生研究所所長らと協議するプロジェクトおよび調査団メンバー

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コレラ治療センター内でコレラ患者の受診状況について保健省医師と協議する調査団メンバー

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臨時病院内で保健省医師とデータ分析の結果について協議する調査団メンバー