研修病院評価ツールを用いてチンギルテイ地区病院研修プログラムが評価されました

2019年6月14日

6月12日に、プロジェクトの技術支援により開発され、今年3月29日に正式に承認された研修病院の評価ツールを用い(プロジェクトニュース2019年4月20日参照)、ウランバートル市のチンギルテイ地区病院において実施されている総合診療研修プログラムが、保健開発センター(CHD)の担当官により評価されました。

チンギルテイ地区病院では、オルホン県RDTC(地域診断治療センター)と同様に、2018年10月より総合診療研修が開始されています。今回の評価は、実施されている総合診療研修が適切に運営されているか、改善すべき点がないか確認するために実施されました。

評価ツールは、研修プログラムの質を改善することを企図しており、CHDの担当官たちと共に、約2年かけて開発してきました。また今回の評価を担当したCHDの担当官たちは、評価ツールの開発を担当してきており、プロジェクトの短期専門家の指導の元、研修病院の評価を度々実施してきた方達です(プロジェクトニュース2018年1月15日、1月22日、11月22日参照)。

評価には、書類審査、指導医や研修医へのインタビュー、更に研修連携施設の視察などが含まれます。CHDの担当官は、研修環境や資機材の整備状況、研修管理委員会の開催概要、研修の実施状況(カンファレンスやジャーナルクラブの実施状況)などの項目に関して書類を確認し(図1、2)、不明瞭な内容は研修医や指導医に確認しました。また、研修連携施設の一つである地区の小児病院を視察し、同様に評価しました(図3)。

今後、評価結果は整理され、改善に向けたプランが提案されます。その報告も、プロジェクトで開発を支援した共通フォーマットに従って報告される予定です。モンゴル政府に承認された評価ツールを用い、その開発過程に関わったCHDの担当官が主体的に研修病院を評価したことは、モンゴルの医療の質の改善のため、自分たちの力で活動を継続することにつながります。プロジェクトは、モンゴルの地域の医療の質の改善のため、今後も技術支援を続けていきたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明
業務調整員 野崎 保

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図1.CHD担当官による書類確認

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図2.研修医毎にまとめられている研修記録ファイル

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図3.小児科研修の実施病院(左が院長)でのヒアリング