TICAD IVサイドイベントにおいてアフリカ・コメ生産倍増に関するイニシアティブを発表

2008年5月29日

NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)、AGRA(アフリカ緑の革命のための同盟)、FASID((財)国際開発高等教育機構)と共催したTICAD IVサイドイベントにおいて、JICAはアフリカにおけるコメ生産を10年間で倍増することを目標としたイニシアティブ「アフリカ稲作振興のための共同体(Coalition for African Rice Development、 通称CARD)を、「アフリカ緑の革命のための同盟(Alliance for a Green Revolution in Africa, 通称AGRA)」と共同で発表しました。

現在、アフリカでは急増するコメの需要に対し、生産が追いつかず消費量の約40%を輸入に頼っています。昨年からのコメ価格の高騰は都市住民の生活を圧迫し、これにともないアフリカ各地でデモや暴動が発生しており、コメの増産はアフリカ諸国にとって緊急に取り組むべき課題となっています。

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関心の高さを示すように、参加者は150名を超えた

このような状況をふまえ、JICAは上記目標を達成するために、国際機関や複数の援助機関等による協議グループを形成し、アフリカにおける飛躍的なコメ増産を目指す本イニシアティブを発表するに至りました。

イベントは海外26機関、国内12機関、11カ国から180名近くの参加を得て、開催されました。また、トーゴ農業大臣(WARDA閣僚会合議長)、ベトナム農業・農村開発副大臣、世銀、国連開発計画(UNDP)、アフリカ開発銀行(AfDB)、西アフリカ稲作開発協会(WARDA)等からも歓迎のメッセージが寄せられ、今後協力をしていく用意があることが確認されました。

その後行なわれた有識者によるパネルディスカッションでは、アフリカにおける緑の革命の可能性について、活発な議論が交わされました。中でもJICA坪井専門家によるウガンダでのネリカ普及に関する活動報告は、現場からの成功事例の紹介として参加者の大きな関心を集めました。

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イニシアティブを発表する大島(当機構副理事長)

本イニシアティブの目標であるアフリカにおけるコメ生産倍増は福田総理やガーナ・クフォー大統領の演説で取り上げられると同時に、横浜行動計画にも明記されており、国際社会が取り組むべき開発課題の一つとして認知されたものと考えます。今後、JICAは本イニシアティブの実施に向け、関係機関との協議を継続していく予定です。