8月15日「エチオピア NINJAアクセラレーションプログラム修了式」開催のお知らせ
2023.07.26
JICAとエチオピア革新・技術省(Ministry of Innovation and Technology of Ethiopia: MInT)は、Project NINJA( Next Innovation with Japan)(注)の一環として、「エチオピア NINJAアクセラレーションプログラム修了式~エチオピアのスタートアップエコシステムの現状を紐解く~」を開催します。約100社の中から厳選されたエチオピアの優秀スタートアップ6社が参加した、4か月のアクセラレーションプログラムの成果について発表します。また、4名のスタートアップ関係者によるパネルディスカッションや、JICA・MInTが実施したエチオピア・アディスアベバのスタートアップエコシステム調査の結果についてご紹介し、エチオピアのエコシステムの現状について理解を深めながら、アフリカのスタートアップの発展に必要な支援プログラムについて検討します。アフリカのスタートアップ支援関係者や民間セクター開発の援助関係者、及びアフリカに関心のある日本の投資家や企業の皆様、是非ご参加ください。
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(注)Project NINJA( Next Innovation with Japan)は、JICAの開発途上国におけるビジネス・イノベーション創出に向けた起業家支援活動として2020年1月に始動しました。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が世界的に加速する中、テクノロジーを活用した新しいビジネスへの注目が集まっており、アフリカの潜在市場に着目した欧米からの投資が活発化しています。人口約1億1,200万人を擁するエチオピアは、スタートアップがビジネスを展開するのに十分な市場規模を有しています。また、近年、通信環境の改善や政府の政策によってデジタル経済への移行が進んでおり、ビジネスポテンシャルに満ちた国の一つとなっています。
16:00-16:20 | 開会挨拶 |
16:20-17:00 | ・プレゼンテーション:アクセラレーションプログラムの学びの発表 「スタートアップのエキサイティングな旅路を聞く」 (アクセラレーションによる学びと将来計画、MVP(Minimum Viable Product)とPMF(Product Market Fit)の活動・成果等) ・発表者:アクセラレーションプログラムに参加したスタートアップ6社 |
17:00-17:30 | ・パネルディスカッション: 「エチオピアにおけるスタートアップと投資スペースの進化」 ・パネリスト(4名): -アクセラレーター又はインキュベーター -エチオピアの有名スタートアップの設立者 -MInT -投資家・プログラム実施委託会社(RENEW CAPITAL) |
17:30-17:40 | ・講演:エチオピア・アディスアベバのスタートアップ・エコシステム調査 「エチオピアのスタートアップエコシステムの現状を紐解く」 ・講演者: MInT /JICA(専門家) |
17:40-18:00 | 閉会挨拶 |
18:00(エチオピア会場のみ) | 交流会 |
Gebeta Software PLC(ロジスティクスのプラットフォーム)
発表者: Mr. ABERA Bemhreth Gezahegn(CEO)
創業:2019年
従業員数:5人未満
Fibermart Trading Company(ソーラーエネルギーのキオスク)
発表者:Mr. TUNYAR Dek Ali(CEO)
創業:2018年
従業員数:10名以上
Guzo Technologies PLC(IoT、拡張現実による観光テック)
発表者:Mr. MOLLA Daniel Getachew (CEO)
創業:2019年
従業員数:6~10名
WeCare digital Health(オンライン健康相談サービス)
発表者:Dr. MENGESHA Michael Endale(共同創業者、パートナーマネージャー)
創業:2021年
従業員数:6~10名
Storm Online technologies/Shemach(製造と小売を繋ぐデジタルマーケットプレス)
発表者:Mr. ABERA Dawit Nigusu (CEO)
創業:2022年
従業員数:10名以上
Commerce 360/Taywan(小売業者のためのBtoB eコマース・プラットフォーム)
発表者:Mr. IDRIS Muhamedamin Eskinder(CEO)
創業:2020年
従業員数:20名以上
1)1週間研修
応募があった約100社から書類選考を経て選ばれた31社がトレーニングに参加。デモピッチを行い、投資会社Renewからピッチの方法についてレクチャーを受けました。起業家も「投資家」目線で他の起業家によるピッチを見て、投資家の視点で質問することで学びを得ました。また、ファイナンスやマーケティング、プロダクトマーケットフィット(PMF)など、起業家に必要なスキルについてレクチャーを受けました。
2)選考と最終オンラインピッチ
2023年2月には、「1週間研修」に参加したスタートアップが研修でブラッシュアップしたピッチデック(ピッチの資料)やスキルをもって選考過程に挑戦。1週間研修時よりも磨かれたピッチに、審査員も驚きを隠せませんでした。この結果、31社の中から15社が選定されました。
3月8日、最終ピッチをオンラインで世界につないで開催しました。オンライン・会場合わせて約100名が参加。15名による熱いピッチが行われ、投資家でもある審査員から厳しい質問が投げかけられました。イベント終了後は交流会を行い、起業家同士で「ビデオカメラで撮影されていたし、審査員からの厳しい質問を受けて、いつも以上に緊張した」と感想を述べたり、達成感のある表情を見せたりしていました。この最終ピッチを経て、15社の中から6社が選ばれました。
3)実証実験プログラム(Proof of Concept)& 4か月間のビジネス・ディベロップメント・トレーニング
最終選考で選ばれた6社は、4か月間のビジネス・ディベロップメント・トレーニングに参加しました。毎週2回法律、マーケティングなどの講義とメンタリングを実施しました。少人数制で一社一社に向きあった専門的なトレーニングに加えて、エチオピアを代表するスタートアップとして、世界に進出するためのノウハウについて互いに共有しました。加えて、最大50万エチオピア・ブル(約9,000米ドル)の実証実験プログラム(Proof of Concept)を実施し、スタートアップのビジネスを検証しました。
スタートアップからは以下のようなコメントがありました。「本当にエキサイティングで、最初からゲームチェンジできるような環境を提供いただきました。自身の成長や、今まで経験してきたことを見直すことができ、スタートアップや会社を形成する際の基準を理解するのにとても役立ちました。」、「JICAのプログラムはとてもユニークで、他とは異なりました。ビジネスモデルや戦略プラン、スタートアップのビジネスを正しく適切に実施していくための方法を、徹底的に教えてくれました」。
4)日本での研修
2023年6月、エチオピア革新・技術省(MInT)職員9名とエチオピアのスタートアップ 6名が、日本での研修に参加し、東京と北九州を訪問しました。また、研修にあわせてMInTのH.E Belete Molla Getahun大臣やH.E Bayissa Badada Badassa副大臣を含むエチオピア政府高官4名を招へいしました。
研修では、経済産業省や中小機構を訪問し、日本政府が取り組んでいるスタートアップ支援策や、福岡市や北九州市における取組について学びました。また、NPO法人ETICや青山スタートアップアクセラレーションセンター、Verod-Kepple Africa Partners、九州大学、富士通テクノロジーホール、Kawasaki Robostage等を訪問し、日本のスタートアップエコシステムを構成する投資家、アクセラレーター、教育機関や大手民間企業等が果たしている役割やVR等のデジタル技術を学び意見交換を行いました。加えて、ピッチイベントも開催し、審査員等から直接アドバイスを受けるなど、研修に参加したMInT関係者やスタートアップにとって学びの多い研修機会となりました。
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