世界文化遺産シンポジウムでJICA専門家が登壇「観光は地域と文化の味方になれる」

2024.03.13

2024年1月20日(土)に開催された「世界遺産条約制定50周年記念シンポジウム~世界文化遺産の50年:日本の貢献のこれまでとこれから~」(主催:令和5年度文化遺産国際協力コンソーシアムシンポジウム)にて、JICAの観光開発案件に従事中の熊田順一専門家が登壇しました。

熊田氏は、「持続可能な観光」の定義や考え方、世界文化遺産に果たす役割について触れたうえで、自身が策定に携わったJICAとUN Tourismの共同出版物「観光を通じたSDGs達成に向けて~観光プロジェクトのための指標ツールキット~(TIPs)」をはじめとし、日本で推進されているサステナブルツーリズムの取組について紹介しました。
また、世界文化遺産が所在するコミュニティと観光セクターの関わり方の一例として自身が総括を務めるヨルダン国「ペトラにおける観光開発マスタープラン策定プロジェクト」にて実施している活動(地域を巻き込んだ展示物の展示活動、近隣学校の受入プログラム整備、マスタープラン整備等)について紹介しました。
動画はこちらから:https://youtu.be/bJGmsiEkz1Y?si=-ofhjABlZ9XhGIVZ

熊田氏から一言:
観光地の文化や伝統の破壊・形骸化、生物多様性の損失等、マス・ツーリズムのネガティブな影響を減らすためのアプローチの一つとして、「サステナブルツーリズム」の関心が昨今高まっています。無形有形の世界文化遺産をもつ日本が観光を通じた地域や地域文化の持続可能性に貢献できるポテンシャルは大きいです。しかし、持続可能性を意識した観光の役割自体は文化、経済、自然環境等、多岐にわたるため、様々な観光関係者が「サステナブル」とは何か自分の立場・目線で考え、出来ることから継続的に実践することが重要です。

熊田順一氏経歴

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株式会社日本交通公社に入社後、訪日インバウンド事業、海外オンライン販売事業、訪日オンライン販売事業に携わる。2014年7月より日本人として初めて国連世界観光機関(UN Tourism)へ観光庁の推薦で派遣。3年間アジア太平洋部門のシニアオフィサーとしてアジア太平洋観光行政部門の窓口を務めた後、2017年4月より株式会社JTB総合研究所に主席研究員として着任し、グローバルツーリズムとサステナビリティ分野を担当。現在、一般社団法人日本サステナブルツーリズムイニシアティブ常務理事・事務局長として観光を通じた観光地域のサステナビリティ推進へ取り組んでいる。

詳細:https://www.tourism.jp/consulting/consultants/junichi-kumada/

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