関西のごみ対策を学んで帰国した、アジアや南米の研修員から成果・進捗報告が続々と

2023.09.21

 JICA課題別研修「都市固形廃棄物管理の実務」コースは、毎年、開発途上国のごみ対策を担う行政官を多数迎えて、公益財団法人地球環境センター(GEC)とのパートナーシップのもと、関西の固形廃棄物管理を学ぶ機会を提供しています。帰国前には、日本で学んだ新たな知見をどのように自国(都市)のごみ問題の改善に活かしたいかをまとめた「アクション・プラン」を作成しています。
 このたび、3名の帰国研修員から、アクション・プランの進捗について続々と報告がありましたので、まとめてご紹介いたします。
 なお、帰国研修員から報告とともに追加質問が寄せられることもありますが、コース関係者(コースリーダーや講師等)がアドバイスを行うなど、研修コースで形成された人的ネットワークが脈々と維持されています。

ネパール・ダンクタ市 環境課長 カナルさん

2021年7月1日から10月31日に研修(オンライン)に参加した、ウペンドラ・カナルさんからのメールです。

「親愛なる平賀さん※、こんにちは!
アクション・プランで提案した私たちの取組が、以下の通り完了したことをお伝えしたいと思います。
1. 850人の学童を対象とした廃棄物管理啓発研修
2. 961 人の地域住民を対象とした廃棄物管理意識向上トレーニング
3. ごみを利用したコンポスト造り研修で、コンポスト箱100個の配付
4. 指定廃棄物処理制度の導入
これらの結果、ネパール政府から「優秀廃棄物管理マネージャー」賞を授与されました。みなさんのご協力に感謝申し上げます。」

※「平賀さん」:都市固形廃棄物管理の実務コースのコースリーダーである平賀 良氏

カナルさんのアクション・プラン

授賞式でのカナルさん

フィリピン共和国・イロイロ州ディングル市 上級環境管理専門官 カリンさん

2023年6月28日から8月3日に来日した、カリーナ・シライデさんからの8月30日のメール(抜粋)です。

「親愛なる皆さん、こんにちは! 私は地元の最高責任者に私のアクション・プランを説明しました。
彼は私の提案した小学生向けの環境教育を非常に気に入り、協力すると言ってくれましたので、9月の第1週に学校長と地区の教育委員会の幹部とさっそくミーティングを行う予定です。
日本での研修中にコースリーダーの平賀さんが、日本の環境教育カリキュラムのサンプルを提供してくださり、とても感謝しています。 より良い実施方法などについて、更にご意見やご提案がございましたら、喜んで考慮し、会議中のディスカッションに取り入れさせていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。」

カリンさんのアクション・プラン

来日中に大阪市内のコミュニティ清掃ボランティア活動拠点を訪問しプレゼンするカリンさん

ブラジル連邦共和国・全国自治体連合 廃棄物管理技術分野担当 エリザさん

2023年6月28日から8月3日に来日した、エリザ・ケルバー・シェーネルさんからのメール(抜粋)です。

「親愛なる皆さん、元気ですか? まず、私が日本滞在中に頂戴した貴重なお時間、献身的なご配慮に感謝いたします。(中略)JICAブラジル事務所でのアクション・プランのプレゼンテーションを予定していることをお知らせすると共に、すでにアクション・プランで提案した活動を実践していることをご報告します。私たちは2 件の自治体向け研修を実施済みで、2 冊の電子書籍を準備中です。1 冊はオープンダンピング(ごみを処分地にそのまま投棄するのみで、覆土や浸出水管理などを伴わない処分方法)の閉鎖に関するもので、もう 1 冊はごみの分別収集に関するものです。
また、私は、ブラジルのJICA帰国研修員同窓会の一員となって、他のJICA協力事業(JICA協力隊を含む)にも積極的に協力しています。環境分野に焦点を当てた講演、研修、国際イベントにJICA帰国研修員を代表して参加したこともあります。 私の英語力や経験が、今後もJICAとのパートナーシップに貢献できると信じています。ありがとうございます!」

エリザさんのアクション・プラン

来日中に大阪市内の清掃ボランティア活動に参加した際のエリザさん(左から2人目)

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