アジア・中南米・ウクライナのごみ行政担当官がディープ大阪で住民主体のまち美化を学ぶ

2023.07.10

黒門市場や国立文楽劇場を擁する大阪市中央区高津のある朝

7月4日の朝、大阪市中央区の高津地区では、公民館の一つであるドームこうづに次々と住民の方が集まり、手慣れた様子でお揃いのパーカーに身を包み、ほうきなどの清掃用具を手に整然と清掃活動を開始しました。その日は住民ボランティア組織「たかつ会」が呼び掛けて行っている、月1回のごみ拾いの日。
いつもと少し異なるのは、そこに海外からの参加者が混じっていたことでした。

ごみ問題に取組む5か国のJICA研修員が高津地区を訪問、ごみ拾いにもお邪魔

JICA 関西は、大阪市環境局、公益財団法人地球環境センターの支援のもと、開発途上国のごみ対策を担う人材育成を支援するため、例年、日本に行政官を招き視察や実習を行なっています。今回は「都市固形廃棄物管理の実務A」コースの5か国(ブラジル、キューバ、フィリピン、ラオス、ウクライナ)の6名が、その一環として高津地区にお邪魔した次第です。

これらの国々では、経済成長や急激な都市化によって増加するごみに処分が追いつかず、散乱するごみが健康問題や環境汚染を引き起こし大きな問題となっています。
特に、市民の環境意識の低さから、行政が処理施設を建設するなどして対症療法を講じても、リサイクルやごみの量を減らすといった行動がごみを出す側の住民に定着しないことが原因で、しばらくするとまた元に戻ってしまう、という悩みを抱えています。

この訪問と交流を通して、研修員達は、住民の方々の意識の高さ、街を愛する心に大きな感銘を受け、必ずこの経験を帰国後の仕事に活かし、ごみ問題の改善に役立てたいと、口々に語りました。

ごみ拾いのあとには、研修員から自国の風景や文化を紹介しました。ウクライナ研修員(同国東部のドネツク州の職員)のプレゼンが含まれていたこともあり、「平和であってこそ、ボランティアも出来る。」「黒門市場など、この近隣は外国人観光客のメッカで、観光ごみに頭を痛めているが、研修参加者各国の写真をみて、自分が海外旅行するときには他国の美しい環境を傷つけるまいと重ねて思った。」などのコメントを頂きました。

お揃いの帽子も貸していただきました。

炎天下での健闘を称えあう参加者のみなさん。願い事を書いた七夕飾りと一緒に。

緑地の整備を手伝う研修員

研修員からの自国紹介

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