気候変動

気候変動

グローバル・アジェンダの目的

途上国政府の気候変動対策の対応能力向上と、各開発課題と気候変動対策の推進を両立させたコベネフィット型の対策の推進能力を向上させ、気候変動枠組条約における国際目標の達成と持続可能で強靭な社会の構築の実現に貢献する。

背景と課題

(1)気候変動の課題

気候変動は、世界のあらゆる国々の持続的な開発と人間の安全保障にとって脅威である。地球全体が温暖化し、極端な気温、強い降雨現象、干ばつ・降水不足等の気候・気象の極端現象の強度・頻度が変化している。これにともない、1)陸域、海洋の生態系、2)水資源・水環境、3)農業・食料、4)都市・居住やインフラ、5)健康・福祉、6)貧困・生計等で様々な影響を及ぼすと考えられており、早期の対策と対応が求められている。特に、開発途上国の多くは、気候変動に対して脆弱であり、影響を回避・緩和する対策を十分講じることができないため、社会・経済への影響が大きいと考えられる。
今後、2030年までの期間は21世紀とそれ以降の気候リスクを低減し、効果的に適応するための方向性を決める重要な期間である。係る状況の中、気候変動による負の影響から人類の生命・財産を将来に亘り守り、経済・社会の持続可能な発展を図るためには、先進国のみならず途上国も、緩和策(GHGの排出削減・吸収増進等の対策)をあらゆる開発事業(特にエネルギー、運輸交通、森林保全等の分野)において講じ、適応策(予測される気候変動による被害の回避・軽減を図る対策)を、特に防災、水資源、農業分野等で検討することで、気候変動のリスクを低減し、管理するための相互補完的な戦略を打ち出すことが重要である。

(2)日本・JICAが取り組む意義

気候変動は、世界各国共通の課題であり、その解決には技術革新や社会経済システムの変革が求められ、先進国が主導する必要がある。2021年11月のCOP26において我が国は、「気候変動に総力を挙げて取り組み、気候資金目標の達成に貢献する」決意を表し、5年間で官民合わせた600億ドル規模の支援に加え、最大100億ドルの追加支援、適応分野の支援倍増、森林分野への支援強化を表明している。気候変動は、脆弱な社会にその影響が大きいことが予測されており、人間の安全保障の観点から重要であり、気候変動対策を各開発課題の解決策の中に創造的に取り入れることで二つのテーマを両立させる開発経路の実現に途上国とともに貢献し、持続的かつ強靭な国際社会の構築に貢献する意義は高い。

ポジションペーパー

SDGsポジションペーパー

主要な取り組み

1)「パリ協定の実施促進」クラスター

パリ協定の下、先進国・開発途上国を問わず、全ての締約国がNDCの策定/改定、国家適応計画の策定・体制整備、GHGインベントリやNDCの進捗状況を含む「隔年透明性報告書」の提出等、緩和策・適応策を含む様々な対応に取り組む必要があり、多くの開発途上国においても脱炭素が表明されているが、開発途上国政府は、これらを自国のみで実施するだけの資金・技術・知見等の能力が十分でなく、国際社会からの支援を必要としており、開発途上国が各種対応を着実に実施し、気候変動に対応できるよう、技術的な能力を強化し、気候変動を司る組織の気候変動対応能力を向上させ、パリ協定に沿った気候変動対策を促進する。

  • 2030年までに、気候変動対策の各種計画策定/更新及び実施の支援国数(10ヶ国以上)
  • 人材育成数(1万人以上)

2)「コベネフィット型気候変動対策」クラスター

社会・経済基盤が脆弱で基本的なニーズが充足できていない途上国においては、長期的な見通しのもとでリスクを軽減する対応を取ることが難しい。こうした状況の中、開発途上国において気候変動への取組を推進するために、各開発課題の解決(開発便益)と同時に、気候変動対策(気候便益)にも資するコベネフィット(共便益)を積極的に推し進め、気候変動対策の質・量の両面での拡充を図る。

  • 2030年までに、気候変動対策支援ツールを活用し、コベネフィット型の対策を進める案件数(500件以上)
  • 2030年までにGHG排出削減量の倍増(200万CO2換算トン/年)
  • 2030年までに、適応策への貢献を倍増
  • 2025年までに気候変動対策の事業規模1兆円/年
  • 裨益人口(3.8億人)

広報資料・詳細情報