JICAボランティア派遣事業

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事業の概要

JICAボランティア派遣事業とは

JICAボランティア派遣事業は、国際協力の志を持った方々を開発途上国にJICA海外協力隊として派遣し、現地の人々とともに生活し、異なる文化・習慣に溶け込みながら、草の根レベルで途上国が抱える課題の解決に貢献する事業です。草の根レベルであっても、その活動は途上国の政府や政府機関、あるいは公益性を追求する非政府機関の活動となる点が特徴です。

開発途上国からの要請(ニーズ)に基づき、それに見合った技術・知識・経験を持ち、「開発途上国の人々のために生かしたい」と望む方を募集し、選考、訓練を経て派遣します。

派遣の主な目的は、(1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与、(2)異文化社会における相互理解の深化と共生、(3)ボランティア経験の社会還元です。途上国支援として(1)の開発に向けた貢献に加えて、(2)の途上国との草の根レベルの友好関係づくりや(3)の社会還元が加わっている点が「国民参加型」事業と呼ばれる所以です。

JICA海外協力隊の種類

2019年度よりボランティア事業を改編し、これまで20~39歳は青年、40~69歳はシニアと年齢によって分けていた派遣区分を抜本的に見直し、年齢にかかわらず案件の難易度に応じた区分としました。うち、一般に広く職種で応募する一般案件を、「青年海外協力隊」「海外協力隊」とし、一定以上の経験・技術を持つ方がより高度な案件に対応するシニア案件を、「シニア海外協力隊」としています。

また、中南米の日系社会に派遣される「日系社会青年海外協力隊」「日系社会海外協力隊」、同じく日系社会への派遣の中でも一定の経験・技術が必要な「日系社会シニア海外協力隊」があります。

JICA海外協力隊の募集

派遣期間が1年以上の長期派遣は、毎年2回、春と秋に募集しています。派遣期間が1年未満の短期派遣は現在、年に2回募集しています。「JICA海外協力隊」サイトでは、現地で活躍するJICA海外協力隊の活動の様子や募集の案内など、さまざまな情報を提供しています。

長期派遣の場合は、応募後、合格して訓練を経て実際に赴任するまで10ヵ月以上、短期派遣の場合は6ヵ月以上を要します。応募を考えている方、関心のある方、なんとなく気になっただけという方も、ぜひ詳細を以下よりご覧ください。

派遣前訓練・研修

JICA海外協力隊の選考の結果、合格された方はJICA海外協力隊候補者として60日から73日間程度の派遣前訓練を駒ケ根訓練所(長野県)あるいは二本松訓練所(福島県)において合宿形式で行います。

任国からの要請に対して技術力を補う必要のある方に対しては、課題別派遣前訓練を派遣前訓練の後に行います。

短期派遣の方には1週間以内の派遣前研修をオンラインで行います。

グローカルプログラム(派遣前型)について

合格者のうち希望者を対象に、合格決定から派遣前訓練開始までの期間中、日本国内の地方創生や多文化共生等の取り組み現場での実習機会(約2か月半)を提供しています。こうした課題解決に向けた日本の地方での実践経験は、隊員として途上国で活動する上で意義のある実習であると共に、帰国後のボランティア経験の社会還元にも役立つことが期待されます。

現地での生活と活動

JICA海外協力隊は現地で提供される家屋に居住するなど、同様の生活を行います。活動は途上国からの要請に従い、現地の配属先の人々とともに現状の把握、課題を特定し、その課題解決に向けた対応案を検討し、その実施に向けた試行錯誤を繰り返します。

こうして現地の人々とともに生活し活動を行うことを通して日本(人)に対する親近感を醸成したり、結果として参加者自身の成長に繋がることを期待しています。

JICA海外協力隊活動の社会還元

JICA海外協力隊経験者はその活動により得られた経験を糧に、日本国内外で活躍することが期待されています。実際に、開発途上国で過ごすことで得られた行動力や失敗を恐れない心、日本の課題に対する“気づき”が日本を変える力になっています。