食と環境の安全・安心を実現するハイテク簡易オペレーション分析デバイスの開発と人材育成

アジアなど発展途上国においては、急速な発展による環境汚染や食品汚染が社会問題となっており、その解決に向けては実際の都市環境の状況を把握する高度な分析技術とデータ解析、そしてこれらの業務を担う人材育成が不可欠です。ベトナムでは経済発展に伴い、今後さらなる増加が予測される分析ニーズに対応するためには、ラボ（試験室）で行う高精度な大型分析装置を使った“人”による従来型の分析に加え、現場においてデータスクリーニングを行うモニタリング装置が重要であり、ラボ分析とモニタリング分析が相補的に機能することが求められます。また、ラボ分析およびスクリーニング分析を行う人材も不足しており、同通達に対応するための人材育成が急務である。 本事業は、ベトナム国において、オンサイト分析デバイス開発、モニタリングステーション運営技術資料作成、環境モニタリング・分析トレーニングコース設置・運営、水質・大気データ収集・分析を行います。これによって、環境モニタリングプラットフォームの改善を図り、もってモデル省以外での改善された大気・水モニタリングプラットフォームの運用への寄与を目指します。 【上位目標】 改善された水と大気の環境モニタリングプラットフォーム（モニタリングデバイス、モニタリングステーション、資格認定を受けた分析行政官、モニタリングデータ）がモデル省以外の省で運用される。 【プロジェクト目標】 環境モニタリングプラットフォーム（モニタリングデバイス、モニタリングステーション、認定を受けた分析行政官、モニタリングデータ）が改善される。 【成果】 成果１ 水中の４種類の重金属（Hg、Cd、As、Pb）をモニタリングするオンサイト分析デバイスが開発される。 成果２ バクニン省の主要な水・大気モニタリングステーションの改善を通じ、モニタリングステーションの運用・保守のための技術資料が作成される。 成果３ MONRE・DONRE の行政官向け認証環境モニタリング・分析トレーニングコースが設置・実施される。 成果４ VNU-HUS の学生・教員向けモニタリング・分析トレーニングコースが設置・実施される。 成果５ 大気及び水質のモニタリングデータ収集システムが構築され、収集されたデータを基に大気及び水のデータ分析システムが立ち上げられる。

港湾技術基準策定・普及支援プロジェクト

ベトナムは急速な経済成長に伴い増大している運輸交通・エネルギー等の経済インフラ需要に対し、インフラ整備が不足していると指摘されています。また、港湾について、同国の急速な経済成長及び国内市場の拡大に伴い増大した貨物需要に見合う港湾整備が不可欠であり、加えて国際的な物流拠点としての港湾を整備することが必要とされています。 本事業は、ベトナムにおいて、港湾技術基準及び関連マニュアルの策定・普及を行います。これにより、ベトナムの国家港湾技術基準の策定と運用に係る能力及び、港湾施設の開発および維持管理の技術能力が向上し、もって同国の港湾が国家港湾技術基準に基づき効率的かつ強靭に開発され、同国の国際港湾セクターにおける競争力が向上することを目指します。 【上位目標】 ベトナムの港湾が国家港湾技術基準に基づき効率的かつ強靭に開発され、同国の国際港湾セクターにおける競争力が向上する。 【プロジェクト目標】 国家港湾技術基準の策定と運用に係るベトナムのカウンターパート（MOT、VINAMARINE）の能力が強化され、港湾施設の開発および維持管理の技術能力が向上する。 【成果】 成果 1：港湾技術管理能力が向上する。 成果 2：港湾技術基準が策定される。 成果 3：港湾技術基準のためのマニュアルが策定される。 成果 4：港湾技術基準とマニュアルが普及する。

新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援計画

ベトナムではCOVID-19抑制と経済発展の両立を目指しており、これを実現するたは、COVID-19の感染再拡大に備え、検査体制の拡充といった感染症に対応できる組織体制構築と、それによる強靭な保健システムの構築が急務になっています。しかしながら、当国では感染症に効果的に対応できる検査体制構築に必要な資機材（遺伝子検査・免疫学調査機材等）が不足しており、COVID-19変異株等のサーベイランスや疫学調査に支障をきたしているため、これら資機材の整備が喫緊の課題となっています。 本事業は、国立衛生疫学研究所（NIHE）に対し、COVID-19にかかる検査用機材を整備することにより、COVID-19に対する検査体制の強化・拡充を図ります。これをもってポストコロナへの備えとして強靭な保健システムの構築を目指します。 【事業の目的】 本事業は、国立衛生疫学研究所（NIHE）に対し、COVID-19にかかる検査用機材を整備することにより、COVID-19に対する検査体制の強化・拡充を図り、もってポストコロナへの備えとして強靭な保健システムの構築に寄与するもの。 【事業内容】 １）施設、機材等の内容 【機材】検査用機材 （全自動 PCR 検査装置、免疫学検査機材、DNA次世代シーケンサー、バイオセーフティ３レベル（BSL-3）実験室のための両面ドア・オートクレーブ等） ２）コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 調達監理、整備機材の保守管理に関する技術指導等

持続可能な農業開発のための食品安全検査・レファレンス機能・コンサルティング能力強化プロジェクト

ベトナムでは、著しい経済成長に伴う国民の所得向上により、安全・安心な食品への需要が高まっており、農薬や化学肥料の適正使用や流通時の衛生管理を含む総合的な食品安全管理が求められています。このような中、ベトナム政府は、2012年に、食品検査基準の作成や、食品検査施設への技術指導が行える認証検査機関として、農林水産品品質検査・認証・コンサルティングセンター（RETAQセンター）の設立を決定しました。 本事業は、RETAQセンターにおいて、人材及びマネジメントの質向上、食品安全管理における認証検査機関としての要件を満たすための能力向上、リスク評価・リスクコミュニケーションの能力強化を行います。これにより、同センターを中核としたベトナム農業農村開発省（MARD）の指定食品安全検査機関の検査能力向上のための分析精度管理の仕組み構築を図り、もってベトナムの農水産品の検査機関の能力向上を目指します。 【上位目標】 ベトナム国の農水産品の検査機関の能力が向上する 【プロジェクト目標】 MARDの指定食品安全検査機関の検査能力向上のため、RETAQセンターを中核とした分析精度管理のしくみが構築される　 【成果】 成果 1 RETAQ センターの人材及びマネジメントの質が向上する 成果 2 食品安全管理における認証検査機関としての要件を満たすよう、RETAQセンターの能力が向上する 成果 3 RETAQセンターのリスク評価及びリスクコミュニケーション能力が強化される

都市排水及び汚水処理の法的枠組及び管理の構築に係る能力強化プロジェクト

ベトナムは近年の急速な経済成長に伴い、急激な都市人口の増加、都市圏が拡大する一方、下 水道・都市排水に関するインフラ整備は十分に進んでおらず、深刻な環境汚染や大雨による浸 水が問題となっています。政府は2025年までに都市部の下水道普及率50％、2050年までに同100％を達成することを国家目標として掲げ、都市部のみならず地方都市を含めて積極的に下水道整備を行っていくとしています。 本事業は、ベトナムにおいて、上下水道法及び関連政省令案の整備を行うことにより、建設省・技術インフラ局（ATI）の下水道事業に係る法令策定能力の強化を図り、もって下水道事業が効果的に計画・実施されるための法基盤の充実を目指します。 【上位目標】 下水道事業が効果的に計画・実施されるための法基盤が充実する。 【プロジェクト目標】 ATI の下水道事業に係る法令策定能力が強化される。 【成果】 成果１ 下水道事業に係る法律が整備される。 成果２ 下水道事業に係る政令が整備される。 成果３ 下水道事業の管理のための統計データの収集に必要な基盤が整備され る。 成果４ 地方政府の下水道事業管理条例策定の為の基盤が整備される。

ベトナム人海外就労希望者の求人情報へのアクセス支援プロジェクト

ベトナム政府は、国内の失業と貧困に対し自国労働者の海外就業を促進しつつ、他国の労働需要に応える基本政策を推進し、特に貧困率の高い地域においては、貧困削減戦略としての海外就労を奨励してきました。しかし、海外就労希望者にとっては、技能実習制度や日本での就労に関する情報等、渡航準備に必要な様々な情報が不十分であることが多く、海外就労希望者が悪質な仲介斡旋者に法外な仲介手数料を支払うことも問題となっています。 本事業は、ベトナムにおいて海外就労希望者の送出のための新システムの構築、送出機関の関連法令順守の促進及び帰国後のキャリア支援の取組を通じて、海外就労希望者が十分な情報を基に送出機関を選定し、改正派遣法・関連規則に則った海外就労を促進します。これによって、派遣プログラムの透明性向上を目指します。 【上位目標】 プロジェクト活動を通して海外就労プログラムの透明性が向上する。 【プロジェクト目標】 新システム構築や送出機関・関係者の法令順守促進のための取り組み強化を通じ、海外就労希望者が十分な情報を基に送出機関を選定し、改正派遣法・関連規則に則った海外就労が促進される。 【成果】 成果１ 海外就労者の送出しにかかる現在の課題が分析され、海外就労者が正確かつ十分な情報を事前把握できるよう、効果的な方法が特定される。 成果２ 新システム構築を通じ海外就労希望者が透明性の高い環境の下、仲介斡旋者を介せず送出機関を自ら選択できる環境が整う。 成果３ DOLABが海外就労者による送出機関、日本の監理団体や受入企業に係るフィードバックやクレームを受け、法令に則った対応を実施する。 成果４ 帰国者への雇用支援が関連機関との連携や新システム実現を通して向上する。

ベトナム国バリアブンタウ省環境配慮型及び IT 活用型モデル工業団地管理経営能力強化プロジェクト

ベトナム国バリアブンタウ（BRVT）省は、カンボジア、タイを結ぶ南部経済回廊の玄関口として、ベトナムにおける主要な経済地域のひとつとなっています。この地域は、石油とガスの埋蔵量が豊富であり、石油化学、石油探査等の産業に対して大規模な投資が行われています。一方で、同省は海洋をはじめとした自然資源に恵まれており、観光も主要産業の一つと位置付け、産業発展と環境保全のバランスを取る政策を進めてきました。その中で、工業団地のエコ化（汚染源削減、循環型生産、脱炭素化）を促進するための政令が整備され、今後その実践を進めていくことが求められています。 本事業は、対象地域において、モデル工業団地評価・認定に係るガイドライン案の作成、ガイドライン案に基づいた環境管理分野のパイロット事業の実施、及びモデル工業団地の促進のためのガイドラインの制度化を行います。これによって、環境に配慮した工業団地促進のための制度が構築されることを目指します。 【上位目標】 バリアブンタウ省における「持続可能な開発に貢献する環境配慮型及びIT活用型（エコ及びスマート）工業団地促進への取組み」がベトナムでの実践モデルとなる。 【プロジェクト目標】 バリアブンタウ省で環境に配慮した工業団地促進のための制度が構築される。 【成果】 成果１ モデル工業団地（エコ及びスマート）評価・認定に係るガイドライン案が作成される。 成果２ ガイドライン案に基づいて環境管理分野のパイロット事業が実施される。 成果３ モデル工業団地の促進のためのガイドラインがバリアブンタウ省において制度化される。

南北鉄道橋梁安全性向上事業

ベトナムの北部、中央部、南部を結ぶ南北鉄道（ハノイ−ホーチミン線）は路線上に老朽化した橋梁が多数存在し、速度制限を強いられる箇所が多数あります。そのため、鉄道の安全確保や輸送力増強のためには、これらの橋梁の改修が喫緊の課題となっています。 この協力では、対象路線において経年劣化の激しい44橋梁の架け替えなどを支援しました。これにより、列車運行の安全性の確保、旅客・貨物の輸送時間の短縮、および輸送量の増強を図り、沿線地域の持続的経済成長に寄与しました。 【事業の目的】 本事業は、ハノイ～ホーチミン間鉄道（南北鉄道・全長約1,700km）で経年劣化の激しい17橋梁の架け替えを行うことにより、鉄道運行の安全性を向上させ、また同区間の旅客・貨物の輸送時間短縮を図り、もって輸送量増強を通じて市場・産業の発展に資することを目的とするものである。 【事業内容】 17橋梁の架け替え及びアプローチ部分の改修工事と付帯設備建設（線形変更に伴う駅舎移設、踏切撤去と立体交差化等）を行うもの。