jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

平和構築

平和構築

#16 平和と公正をすべての人に
SDGs

誰ひとり取り残さない平和な社会を実現するため紛争を発生・再発させない強靱な国・社会づくりに貢献します。

グローバル・アジェンダの目的

暴力的紛争を発生・再発させない強靭な国・社会づくりに貢献し、平和で包摂的な社会を実現します。そのため、紛争リスクを低減し、国・社会が危機に対応する能力を強化することを目的に、JICAは、保護とエンパワメント(能力強化)と連帯を組合せた人間の安全保障アプローチを取ります。

背景と課題

(1)紛争の増加と傾向

  • 世界の武力紛争の数は2015年頃から再び増加し、2023年には59件で過去最高となり、年間12万人以上が犠牲となりました。特に2015年以後の紛争のほとんどは、国内紛争、あるいは、近隣国に広がったり、第三国が介入する、「国際化した国内紛争」となっています。
  • コロナ下では、ロックダウン等の影響で一時的に紛争・暴動が減少しましたが、政府の対応や経済停滞への不満、社会的な対立により、紛争・暴動は悪化の傾向にあります。

(2)紛争の要因

  • 紛争の要因は様々ありますが、政治・経済・社会における格差や差別、気候変動や経済危機による貧困の増大や資源の不足、政府・行政への不満、武装勢力や暴力的過激主義の影響等があります。
  • 紛争を予防するためには、こうした紛争につながるリスクを未然に防ぎ、また平和的に対処できる包摂的で強靭な社会を作る必要があります。具体的には、公平・公正な行政サービスの適時の提供、生計向上、社会のつながりを作ること等が重要です。

(3)難民の増加・長期化

  • 紛争の長期化に伴い、国境を超える難民と国内で避難する国内避難民は、1億2千万人を超え、過去最高となりました。また、難民のうち約7割は5年以上避難が続いています。
  • こうした状況から、人道支援だけで難民・国内避難民を支え続けることはできず、人道と開発と平和のアクターが連携して、中長期的に対応する必要があります。

主要な取り組み(クラスター事業戦略)

(1)クラスター:地方行政能力強化を通じた信頼醸成

武力紛争の経験、難民・避難民の影響、暴力的過激主義の浸透等、紛争リスクを抱える脆弱な地域に対して、住民に最も近い地方行政の能力強化を通じた包摂的な行政サービスの提供や、コミュニティ活動を通じた社会的結束の促進により、政府と住民及び住民間の信頼を醸成します。

  • クラスター事業戦略「地方行政能力強化を通じた信頼醸成」(策定中)

(2)クラスター:脆弱地域における地方行政能力強化・強靭な社会の形成と信頼醸成

サヘル地域で暴力的紛争を発生・再発させない強靭な国・社会づくりを目指し、政府の能力強化、住民から政府に対する信頼醸成、社会・コミュニティの強靭性向上及び国際協調を促進します。

(3)クラスター:地雷・不発弾対策

地雷・不発弾の解放面積の拡大と地雷回避教育の推進を通じて、地雷・不発弾による被災リスクを低減し、被害者に対しては、必要な各種サービスを提供することを通じて、社会参加を促進します。そのため、カンボジア地雷対策センターとの連携により、被害国の能力強化に取り組みます。

(4)クラスター:人道・開発・平和ネクサスを通じた難民・避難民対応

開発機関としての知見・強みを活かし、人道・開発・平和の連携を通じて、①難民・国内避難民を受入れているコミュニティにおける包摂的かつ平和的な共存と、②安全かつ自発的な出身地域への帰還を促進します。