教育

教育

グローバル・アジェンダの目的

質の高い教育の提供を可能にすることで、人々が自らの才能と能力を十分に伸ばし、尊厳をもって生きることができる社会の基盤を築き、ひいては持続可能な社会経済開発を推進します。

背景と課題

(1)現状と課題

1990年以降の国際社会による教育改善への継続的取組の結果、就学率は大きく改善しましたが、世界では、アフリカ、南アジア等の貧困層や女子等を中心に、依然として2.63億人が不就学の状態にあります。また、学校に通っていても、十分な質の教育を享受できず、結果として基礎的読解力・計算力を習得できていない子どもや若者が6.1億人存在。「学習の危機」と呼ばれる状況が生じており質の改善も大きな課題です。高等教育に関しては、高所得国の就学率が平均75%超の一方、低所得国では約9%と大きな格差が生じています。さらに低所得国では、拠点(トップ)大学でも質の高い教育・研究を提供できておらず、社会経済開発を牽引する高度な知識やスキルを持った人材の不足が課題となっています。

(2)日本・JICAが取り組む意義

質の高い教育の普及を発展の基礎としてきた日本自身の経験、またその強みである系統だった教科書・教材、教員研修制度、保護者・地域社会の支援等を活かしたこれまでの開発協力の経験は、引き続き途上国支援に有効と考えられます。また、日本の開発経験及び大学の果たしてきた役割に鑑み、本邦大学は、知日派・親日派のリーダー育成や、途上国の高等教育機関の強化に引き続き様々な貢献が可能であり、それらは本邦大学の国際化にも貢献するものです。

ポジションペーパー

SDGsポジションペーパー

主要な取り組み

教育の改善には、教育行政・政策・予算、カリキュラム、教材、教員、学校施設・設備、地域社会や親の関わり等々多くの要因が関連しています。これらの多くの課題のうち、JICAは、日本の強みを活かした下記協力に重点的に取り組み、他課題については、他の開発パートナーとの連携等を通じ、総合的な成果の発現を目指します。

(1)教科書・教材開発を中心とした学びの改善クラスタ-

「学習の危機」克服のため、必要最低限度の読解・計算力の習得を目指す取組です。特に初等算数に重点を置き、そのための最重要ツールである、分かりやすく系統だった教科書・教材開発を、DX等も活用しながら進めます。これまで主に東南アジア・中米を中心に取り組んできましたが、今後アフリカ地域等への展開を図ります。また、非認知能力の育成や教員研修の充実等も含め、学びの改善に貢献します。

(2)コミュニティ協働型教育改善クラスタ-

学校とコミュニティの信頼関係を築き、地域社会全体で子どもの学習・成長を支えていくことは、子どもの就学促進、落第・留年の防止、成績向上等に重要な役割を果たすことから、アフリカを中心に通称「みんなの学校」を推進します。

(3)誰ひとり取り残さない教育改善クラスタ-

依然として多い不就学児童、中でも女子、障害者などの脆弱層に対し、質の高い教育の機会拡充を図る観点から、不就学児童の多いパキスタンを重点国とし、女子教育の推進を目指したノンフォーマル教育や障害者教育の充実を図ります。

(4)拠点大学強化クラスタ-

各国の社会経済発展を牽引する各国・地域の拠点(トップ)大学を協力の対象とし、その教育・研究・運営能力の強化を通じて高度人材の育成を促進します。その際、対象の拠点大学でJICAチェアを進め親日派・知日派の拡充を図ります。