jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

重点領域とアプローチ

4つの重点領域

1.「自由で開かれたインド太平洋」の実現、国際社会でのリーダーシップの発揮

JICAは昨今の国際情勢を踏まえ、わが国の開発協力の実施機関として中核的な役割を果たしつつ「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け貢献していきます。

具体的には、各地域の地政学的な特性を踏まえて、自由や民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有する人材の育成、連結性の強化に資する質の高いインフラへの投資、ガバナンスの強化や法制度整備、海上法執行能力の強化、サイバーセキュリティなどの新たな脅威への対応などに重点的に取り組みます。

2.国の発展を担う親日派・知日派リーダーの育成

大学との連携の一環として第4期中期計画期間中から実施してきた「JICA開発大学院連携プログラム」を継続し、日本独自の開発経験やドナーとしての経験の共有を通じ、親日派・知日派リーダーの育成およびわが国と開発途上地域の信頼関係の深化に貢献します。

3.気候変動・環境への取り組みの強化

気候変動の影響は、災害の増加や甚大化のみならず、海面上昇、熱帯病の拡散、水資源の枯渇、食料生産への被害などをもたらすとされ、人間の安全保障や持続可能な社会経済の実現にとって大きな脅威となっています。特に、社会経済基盤が脆弱な開発途上国には、より深刻な影響が及ぶと考えられます。

気候変動対策を重要な経営課題に位置づけ、開発途上国に寄り添いながら、脱炭素社会への円滑な移行と気候変動に対して強じんな社会の構築を目指していきます。

4.わが国社会経済の活性化および内なる国際化への貢献

開発途上国との協力においては民間企業、地方自治体、NGOなどの政府以外の主体が重要な役割を果たしています。JICAはこれらの主体との連携をさらに強化していきます。

また、日本の技術を活用した開発課題の解決への取り組みを通じて、民間企業などの海外展開にも貢献します。開発途上国での事業を通じて得た知見やネットワークを活用し、日本国内での外国人材受入・共生に向けた取り組みにも適切な貢献を行います。 

JICAの重視するアプローチ

1.信頼関係の構築に向けた、オーナーシップとパートナーシップを重視した協力の推進

JICAが長年にわたり実践してきた、開発途上地域のオーナーシップ(主体性)と日本との対等なパートナーシップを基礎とする協力は、開発協力の効果を高め、開発途上地域と日本との信頼関係の強化に寄与してきました。このことを再確認し、これを引き続き重視します。

2.「JICAグローバル・アジェンダ(課題別事業戦略)」の促進による開発パートナーとの広範な連携や共創を通じた開発効果の増大

2021年度に、JICAは、世界や開発途上国が抱える課題ごとに中長期的な目標、成果と取り組みの優先順位を明確にした「JICAグローバル・アジェンダ(課題別事業戦略)」を策定しました。SDGsへの関心の高まりなどを背景に、スタートアップ企業を含むさまざまな企業、研究機関、市民団体などに開発の担い手が広がっています。同アジェンダを促進することで、そのような幅広い開発の担い手との連携や共創を通じ、開発効果の一層の増大を目指します。

3.ジェンダー平等の推進・多様性の尊重

JICAはこれまでもジェンダー平等の推進に取り組んできており、第5期中期計画においても事業でのジェンダー主流化などを通じ、一人ひとりが、人間としての尊厳をもって、それぞれの能力を発揮できるような、平等で多様性を認め合う社会の実現を目指します。また、組織運営においてもジェンダーを含むさまざまな多様性を尊重し、多様な働き方と成長環境の充実を図ります。

4.DXの推進

包摂的で多様性を享受する社会の実現、自由で安全なサイバー空間の構築、ならびにポストコロナでの業務実施体制の確保および業務の効率化を図るべく、デジタル化を含む革新的技術の活用やそれらの実装に向けた環境整備などを進めます。

事業においては、デジタル技術・データの活用を通した新たな価値の創出などを通じて、事業効果の増大を図ります。組織運営においては、業務プロセスの改善や迅速化、専門性を持った人材の確保・育成や経営資源の最適配分などにより、業務の質の向上などを積極的に推進します。