JICAの取り組み

JICAは、就学前教育から初中等教育、職業技術教育・訓練、高等教育、識字・ノンフォーマル教育に至るまで教育セクターを包括的に俯瞰し、人々のニーズに応じた質の高い「途切れない学び」を相手国が実現できるよう協力に取り組んでいます。

子どもの学びの改善

基礎的な学力の習得だけでなく、子どもが自ら学び考える力を身に付け、学習意欲を高めていくことを目指し、相手国・社会の学力観を踏まえて支援しています。そのうえで、カリキュラム、教科書・学習教材、授業、学力評価の一貫性に留意し、学びの改善に向けた総合的なソリューションを提供しています。さらに、各国の状況を診断し、教育政策・制度の策定、学習環境や学校運営の改善、教育人材の育成を組み合わせて包括的な支援を展開しています。

科学技術イノベーション・産業発展を担う人材の育成

グローバル化と知識基盤型社会の進展に伴い高度化・複雑化する課題解決のため、科学技術イノベーションを創出できる人材の育成が期待されています。これを支えるため、日本が豊富な経験を有する工学教育分野を中心に、中核となる大学の設立や能力強化、大学間ネットワークの強化、教育の質保証の制度構築等を支援しています。

加えて、産業界で即戦力となる人材や、民間のニーズに柔軟かつ迅速に対応した技術者・技能者の育成のため、日本の経験(高等専門学校等)も生かして、途上国における産学連携活動の促進や、職業技術教育・訓練へのアクセス拡大や質の改善を支援しています。また、途上国の行政機能の向上、社会経済開発の基盤づくり、日本との友好関係強化につながる人材育成にも取り組んでいます。

インクルーシブで平和な社会づくりのための教育

SDGsの理念である「誰一人取り残されない」社会の構築に向け、社会的・文化的に不利な立場にある人々への支援を強化するとともに、ジェンダー、障害、貧困の視点を教育の全事業に組み込んでいます。

具体的には、女子教育への協力の強化や、障害と教育の観点より、ハード・ソフト両面での「インクルージョン」の実現に取り組んでいます。災害・紛争影響国に対しては、安全な学習環境の提供とともに、留学生プログラムを通じて復興・開発の原動力となる行政官等の育成を支援しています。不就学児童や非識字者に対する教育課題の残る地域では、他セクターとの連携も視野に、識字教育、ライフスキル等のノンフォーマル教育支援に取り組んでいます。