JICA北陸所長×インターン2名鼎談!

菊地所長は平成元年にJICAに入職され、研修事業部、社会開発調査部(村落給水プロジェクトの計画)、外務省、ベトナム事務所、総務部法務室、アジア第一部インドシナ課、青年海外協力隊事務局計画課、広尾センターNGO連携課、総務部総合調整課、国際緊急援助隊事務局、国際協力人材部、キルギス事務所、そして現在の北陸センターという職歴をお持ちです。

2020年3月23日

北陸センターの役割とは?

JICAの国内機関の役割とは海外からのニーズ、課題に対し、国内で対応できることはないか、調整する役割を担っています。海外からの要望を受け、国内で呼びかけ関心を持ってもらうことで海外と繋いでいきます。また、国内、県内、地域の方々の要望、例えば「海外でこんなことをしてみたい」という思いに応え、海外と繋いでいきます。北陸センターでは民間連携事業、研修員受け入れ、草の根技術協力事業、JICAボランティア事業、開発教育支援事業などを通し、魅力ある北陸を海外と繋ぐ、そんな役割を主に担っています。そして北陸の方々に海外に対する関心を持っていただき、どんどん海外進出をしていけたらいいなあという願いを持って支援しています。海外への支援だけではなく日本国内の課題の解決にも資するよう、双方にとってWINWIN(与える、与えられるではない)になるようにしようと、取り組んでいます。

北陸の魅力

鼎談の様子。(右から時計回りに)菊地所長、吉﨑、石黒

(石黒)Q.北陸で生まれ育った人は「北陸は何もないところ」って言ってしまう人が多いです・・・。北陸のいいところはどこですか?
(菊地所長)A.「北陸の方は、考え方や作法など、目に見えない細かなところまでとても大切にしているから、とても感心する」、「北陸の方は優しく、他人に対する配慮が素晴らしい」と、海外から来られた方はよく言います。北陸の“おもてなし”はとても価値のあるものだと感じます。ぜひ北陸の皆さんには自分が海外の方々にとてもお役にたっているという誇りを感じていただけるよう努力したいと思います。北陸は海外の人に笑顔を届けられる可能性をたくさん秘めているところです。他にこの仕事を通して思うことは、北陸は民間企業への支援を行う機関同士のつながりが強いということです。これは国内でナンバー1なのでは?と感じます。本当に素敵なところですね。
(吉崎)私自身“おもてなし”という部分に意識をしたことがなかったです。やっぱりずっとここにいると気づかないことってたくさんありますね。

Co&operation協力とは、1つになって行動すること

(吉﨑)Q.どのような思いを持って活動されていますか?
(所長)A.“風の人(その地域の外からやってくる人)”が”土の人(その地域の地元の人)“に何ができるのかを最優先に考えます。また、私自身、旧JICAの「人づくり、国づくり、心のふれあい」という理念がとても印象深く残っています。やはり1番大事なことは、心のふれあい、人と人との繋がりなのです。1つになって、一緒になって、行動することで信頼が生まれます。これが新JICAの「信頼で世界をつなぐ」ということです。
(石黒)このインターンシップを通して民間連携事業や草の根事業などに取り組まれている企業、団体さんをいくつか訪問しましたが、やはりどの方も「結局は信頼や人と人との繋がりが1番大事」と、おっしゃっていました。

『つなぐ』

(吉﨑)Q.これから北陸センターで目指すものは何ですか?
(所長)A.私たちは、北陸地域の皆様が何に関心をお持ちなのかを勉強し、知ることがまず必要だと思います。まだ接していないけれど強い思いを持っていらっしゃる方々を発見し、海外につないでいきたいです。そして地域の価値を確認できるような場を提供していきたいと思っています。
(石黒)Q.所長は国内拠点、海外拠点の双方での豊富な経験がおありで、その経験をどう生かしていますか?
(所長)A.国内、海外の双方の経験により、そこに住んでいる人が中心という当たり前の視点を強く意識しなければならないと考えるようになりました。私たちはそこに住んでいる方方々に常に寄り添うことを意識して行動しなければいけません。『つなぐ』ということは決して簡単なことではありませんが、大好きな北陸と海外の双方の発展を願い、日々頑張っていこうと思います。

Message~一歩の勇気を~

小学6年生のときから3年間台湾での暮らしを通して、日本とは違う国があることを認識されたそうです。台湾の方々は親日的で日本語で話してくれたり、日本の支援に対する感謝を言ってくれたりと、そんな経験もあり、「新しいことにチャレンジしてみたい」という思いで国際協力という分野に対してなんとなく興味を持ち始められたそうです。
そして大学卒業後、公の場で働いてみたいという思いもあり、JICAに入職されました。そんな菊地所長はいつも北陸センターに明るく楽しい環境をつくってくださっています!

(石黒)Q.これからの未来を担う私たち若者世代へ何か伝えたいことはありますか?
(所長)A.“国際協力”に対して特別だとは思わないでほしいです。誰でもしようと思えば、日本国内にいても出来ることはたくさんあり、繋がることもできます。そして、私たちの考えや行動は、当たり前ではありません。だからこれからの未来を担う方々にはもっと色々なことに直接触れてほしいと思います。どんなに小さなことでもどんな形でも構いません。難しいことをしようと思う必要もありません。何事にも一歩の勇気を持ってください。
(吉崎)そうですよね。まず行動しなければ何も生まれないですね。私はこの北陸センターでのインターンシップに参加させていただいたことがかけがえのない貴重な経験になりました。あのとき迷いもありましたが、勇気を出して挑戦して本当に良かったです。やっぱり、何事にも勇気を持って挑戦ですね!

取材
JICA北陸インターン
吉﨑 杏樹、石黒 歩